ソフトバンクが25日、ペイペイドームで全体練習を再開し、5イニング制の紅白戦で「6・19開幕」への準備を本格化させた。選手のハイタッチは禁止し、選手以外は全員マスクを着用。約2カ月ぶりの実戦でドームに活気も戻ってきた。新型コロナウイルス感染拡大防止へ気を緩めず、3年ぶりのリーグV奪回へ突き進む。

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快音が響き渡った。5イニングとはいえ、ペイペイドームではロッテとの練習試合が行われた3月22日以来の実戦。1球ごとに松田宣をはじめ多くの選手が、久しぶりの実戦で汗を流した。工藤監督も「選手は思ったより動けていた」と調整順調のナインに目尻を下げたが「コロナ対策」は忘れない。

紅白戦はプレーする選手以外は全員がマスクを着用。審判を務めたスタッフやそれぞれ一塁と三塁のベースコーチを務めた本多内野守備走塁コーチ、村松外野守備走塁コーチもマスク姿だった。球団を挙げて新型コロナ感染拡大防止に取り組む姿勢が見られた。

工藤監督 開幕を楽しみにしているファンのためにも、コロナ対策はしっかりしないといけない。この状況で球場で野球ができることを幸せに感じたい。無観客での開幕となったとしても、ホークスはやることは変わらないということを、これからの紅白戦でアピールしていきたい。

自らも終始マスク姿で選手らと距離を取りながら温かく見守った。2回裏に2死一、三塁からダブルスチールで1点を奪った際には白組の一塁側ベンチは盛り上がったが、選手はハイタッチするそぶりの「エアタッチ」。試合前も、久しぶりの再会で笑みをこぼす選手同士のコミュニケーションは握手ではなく「肘タッチ」だった。

ベテラン長谷川が紅白戦初打席、初球で適時二塁打を放った。コロナ対策を施す中での実戦に「監督からも言われているのでどこかにみんな意識がある。もっと制限されている人もいるので、僕らはプレーは影響が少ないのでいい方だと思う」と野球ができる喜びを口にした。

開幕が決まりプレーする喜びを感じる選手だが「対コロナ」では決して気を緩めない。【浦田由紀夫】