開幕投手候補の筆頭、ソフトバンク東浜巨投手(29)が、紅白戦初登板で「一発回答」だ。紅組の2番手で登板し、3イニングを1安打無失点。最速147キロをマークし、柳田に与えた1安打のみに抑えた。

切れのある直球と、武器のシンカーに加え、スライダー、カーブと変化球の精度も高かった。3月20日開幕なら開幕投手に指名されていた右腕が、新型コロナウイルス感染の影響で開幕が延期となっても、6月19日開幕戦OKをアピールした。

「久しぶりの試合登板だが、自分の感覚としてはちゃんと腕を振ってゾーンで勝負できていた」。33球を振り返り、自分なりに合格点をつけた。4回の柳田、松田宣、長谷川の主軸相手には変化球で空振りも奪っていた。

外出自粛が続いた期間、ストレスを感じたことで野球ができる喜びを再確認している。開幕投手について「今は意識していない」としながら「それよりプレーできることの幸せを感じながらやっていくことが大事。開幕日が決まったことは素直にうれしいが、開幕投手というよりは、残り1カ月でどこまで状態を上げられるかですね」とマウンドで投げられる喜びを口にした。今季は120試合の予定だが「先発投手として2ケタは勝ちたい」と数字にもこだわる。

工藤監督も目尻を下げた。「もう1度体を作り直すといって、結果も出たし実戦間隔が空いたなかでも良かった」。開幕投手について「今はまだ検討中」と明言は避けたが「次回登板には決められたらと思ってます」と期待した。

「こんな形でシーズンを迎えるのはプロ野球人生で、もうないと思う。特別なシーズンになると思う」。次回登板で、必ず「6・19」開幕投手の座を手にするつもりだ。【浦田由紀夫】