ハマスタのマウンドがまた苦しみの出口だった。ヤクルト原樹理投手が415日ぶりに白星を飾った。90球使って5回3失点。両手を上げて喜べる内容でなくとも、意味ある勝ちだった。「ここまでの期間、すごく長く感じましたし、つらく感じました。厳しい試練だったけど勝てて、やってきたことは間違ってなかったのかなと」。胸をなで下ろした。

昨季は開幕ローテーションに入るも上半身の故障で離脱。1軍登板は自己最少12試合にとどまり、2軍暮らしが続いた。「ケガをして、年内は何をしても前に進まなかった」。同僚やスタッフ、首脳陣、周りに助けられた。「トレーニングやケア、体の仕組みを一から聞いたり。いろんなところを紹介してくれたり。自分のことのように付き添ってくれた人を挙げたらきりがない」と感謝。そんなチームの、エース石川抹消というピンチで必要とされた。

梶谷にいきなり先頭打者弾を許し、立ち上がりで3点を献上したが持ち直した。マウンドから、外野から、ベンチからの声にまた支えられた。1軍勝利は昨年6月2日のDeNA戦、悪夢の16連敗を止めたあの日以来。「ここまで全然貢献できなかった。これから高津監督の力になれるよう、少しずつ頑張っていきたい」。着実な1歩を刻んだ。【鎌田良美】