会沢ショックも、西勇アレルギーも払拭(ふっしょく)できず。広島が今季3度目の0封負けを喫し、連勝が2で止まった。天敵の阪神西勇に4安打に抑えられ、投手陣も先発床田が5回2失点。中継ぎ陣も2本のソロを浴び、流れを引き寄せられなかった。正捕手で精神的支柱の会沢がこの日、コンディション不良で登録を抹消。相次ぐ主力の離脱で、佐々岡カープが苦境に立たされている。

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浜風が吹く甲子園で、連勝中だった広島の勢いは止まった。復帰登板の床田が立ち上がりに失点。打線は阪神先発西勇の前に三塁も踏めず、今季3度目の0封負けを喫した。試合前には正捕手会沢の出場選手登録抹消が公示され、小さくはない動揺が走った。相次ぐ主力の離脱に、連勝ストップ。佐々岡広島が強い逆風を受けている。

またも西勇の術中にはまった。シュートとスライダーの左右の変化球を両サイドの低めに投げ分けながら、チェンジアップを交える投球に的を絞れなかった。前回から左打者への内角球が増え、主砲鈴木には外角に直球系を使う工夫もみられた。7三振に、11個の内野ゴロ。4安打も、3併殺で走者を進めることができなかった。朝山打撃コーチは「コーナー、コーナーに来られたら打てない。毎回対策を打っているが、やられている。やられたらやり返そうという気持ちは持っている」と厳しい表情。昨年8月3日から6連敗となった右腕の投球を認めるしかなかった。

正捕手であり、精神的支柱でもある会沢が前日の試合中のアクシデントで離脱となった。最年長の石原慶にエース大瀬良、西川もいない。25年ぶり優勝を決めた16年9月10日からちょうど4年。あの試合に出場し、この日も出場した選手は菊池涼と鈴木誠、松山の3人しかいない。監督は代わり、チームも大きく変わろうとしている。風向きはきっと変わる。

会沢不在で1番手捕手と期待される坂倉は3回、追加点につながる悪送球があった。三塁レギュラーの再奪取を目指す堂林は2併殺。復帰登板の床田は5回2失点(自責1)だった。連勝は止まり、順位は下位に停滞する。佐々岡監督は「今いるメンバーでやるしかない。それだけです」と現有戦力の反発力に期待する。下を向かずに、チームとして同じ方向を向くことが求められる。【前原淳】