東北福祉大のプロ注目左腕・山野太一(4年=高川学園)が、制球に苦しみながらも7回2安打3失点で開幕7連勝に貢献した。東北学院大との第1戦に先発し、初回を3者三振の好スタートも、2回に5四死球と乱れノーヒットで2点を失った。8四死球2暴投と不本意な内容に、試合後も笑顔はなかった。

雨天順延で3日間登板がスライドも「言い訳にはしたくない。感覚は悪くなかったんですけど、スライダーが決まり出すのが遅かった」とエースのプライドをにじませた。元西武の大塚光二監督(53)も素質の高さを認めるだけに、「残念ですよ。50点もいかへん、30点かな。ボール走らない、ストライク取れない、周りも見られない。踏ん張ったという次元じゃない」と手厳しかった。

第3節まですべて初戦に登板し、3連勝でリーグ通算22勝無敗とした。しかし9日に明治神宮大会の中止が決定。春季リーグ戦中止から気持ちを切り替え臨んだ秋にも、再び試練が訪れた。そんな時、1学年先輩のソフトバンク津森から連絡が来た。「ここで終わりじゃない。悔しいだろうけど、お前はプロで活躍するのが目標なんだから、思い切って頑張れ」。尊敬する前エースからのメッセージに「落ち込んでいたので、本当に励みになりました」と再び気持ちを高めた。中3日となる17日からの最終節で、現在1敗で追う仙台大と優勝を懸け激突。「いい状態で臨んで勝って終わりたい」。最速149キロ左腕の本領を発揮し、有終の美を飾る。【野上伸悟】