復活への道しるべ。投げて、走って、投げて、走る-。宮崎2軍キャンプに参加している巨人野上亮磨投手(33)が6日、フリー打撃に登板した。育成平間に直球主体で50球を投げ込んだ。力感を排除したゆったりしたフォームから、角度をつけて投げ下ろし、復調をうかがわせた。

19年10月に左アキレス腱(けん)を断裂する大けがを負った。長期リハビリを経て、昨季6月に2軍戦で実戦復帰を果たすも、18試合に登板し0勝3敗、防御率4・98。1軍マウンドにはとどかなかった。今オフは年俸1億2000万円から80%ダウンの3000万円で契約を更改した。

17年オフに西武からFA加入した右腕がプライドをかけたシーズンに臨む。今キャンプ第1クール最終日4日だった。野手の居残り特打も終わり、グラウンド整備と片付けが進んでいた。大半の選手が引き揚げたグラウンドで、野上が外野の右翼ポールと左翼ポールを淡々と走り込んだ。阿部2軍監督は外野を遠目に見ながら「こういう姿から若手は勉強しなければいけない。あいつは、スマートに見えるけど、投げて、走って、つくってきたタイプ。去年はケガから復帰したばっかだから走れなかったんだろう。頑張ってほしいよな」と言った。

実力至上主義に情は挟まない。この日のフリー打撃登板中のBGMはスピッツの名曲「チェリー」だった。ズルしても真面目にも、生きていける気がしたよ…。野上は真面目に復活を期す。【為田聡史】

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