勢い止まらん! 阪神が12球団一番乗りで10勝に到達した。4回に4番大山悠輔内野手(26)の適時打で先制し、これが決勝点。大山が打点を挙げると昨季から引き分けを挟んで15連勝と不敗神話が続く。チームは3カード連続で勝ち越し、貯金を6とした。昨季チーム最多28発の主砲にまだ1発は出ていないが、調子は上がってきた。まだまだ開幕ダッシュは続く。

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これが4番の仕事だ。大山が勝利に導く先制点を演出した。4回1死三塁。「何とか先制点を取りたい」と集中していた。DeNA内野陣は前進守備。それをあざ笑うかのように、上茶谷のカットボールを捉え、遊撃柴田の右を抜いていった。豪快な1発ではない、しぶい一打。「やっぱり昨日みたいに大量得点というのが一番いいですけど」。そんな願望を口にしつつ「毎回、毎回打てるわけではない。取れる時に取る、打点を取るというのが今年のチームのテーマ。そういう仕事ができたので良かったですね」と胸を張った。

前日9日は大型ルーキー佐藤輝の場外弾などで7点差をつける快勝だった。一夜明け、今度はひりつくような緊張感が続く投手戦。その状況を打破する一打を放てるから、大山が4番にいる意味がある。2試合連続適時打。これで大山が打点を挙げた試合は、昨季から引き分けを挟んで15連勝だ。「チームが勝つことが第一。その時、その時の仕事をしっかりできたら」。頼れる主将はフォアザチームを強調した。

一時は打率1割台と落ち込んだが、昨季球場別打率でトップの3割6分6厘を誇った横浜スタジアムで猛打賞の前夜から息を吹き返した。「この球場が得意とか個人的にはありますけど」とした上で「苦手とかそういう風に言っているのは言い訳にしかならない」。まだ1発は出ていないが、矢野監督は「1打席目もいい当たり。感じは良かった。ちょっとずつ打球が上がってくれば。昨日も3本出たけど、そういうのが続いた中で上がってくる可能性が高い」と主砲の上昇を予告した。

4番の活躍で3カード連続勝ち越し、貯金6、さらに12球団10勝一番乗りと虎の勢いは止まらない。「何でも一番乗りはうれしいことなんで。どんどんいけるように」と指揮官が語ると、大山も「本当に良い流れで来ていると思うんですけど、油断してしまうと一気に足をすくわれますし、心の緩みはなくしたい」と引き締めた。慢心なきリーダーが、開幕ダッシュの中心にいる。【中野椋】

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