「Gスクラム」でDeNAを押し切った。巨人若林晃弘内野手(27)が同点の9回1死に相手守護神の三嶋から1号決勝ソロ。続く吉川尚輝内野手(26)も2者連続となる3号ソロでとどめを刺した。9日ヤクルト戦での右手親指の骨折で坂本が離脱。主将、打線の軸、守備の要を担う大黒柱の大きな穴を「1Team」で埋める。

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胸を張ることなく平身低頭のまま地に足を着けた。同点の9回1死。「5球の速攻」で競り合いから白星をもぎとった。若林が、カウント1-1からの3球目、落ちきらない145キロフォークを捉えた。法大時代の3学年先輩のDeNA三嶋から勝ち越しの1号決勝ソロ。「先輩から打てたのは良かったかなと思います」と遠慮がちに振り返った。

勢い、姿勢に吉川も乗った。1ボールからの2球目、外角から入ってきた142キロスライダーに反応した。「若林さんの勝ち越しのホームランで、思い切って積極的に行けたかなと思う」と、左中間席に3号ソロを運んだ。離脱中の坂本に代わり今季初の遊撃でのスタメン。「いつぶりかちょっと分からないけど、坂本さんや菅野さんがケガでいない中で全員で戦っていかないといけない」と、腰を低く構えた低姿勢の二遊間コンビで敵を押し込んだ。

プレーボールから「3球の超速攻」も仕掛けた。1番梶谷が2球目を左越え二塁打。無死二塁から坂本に代わって2番に入ったウィーラーが初球を右越え適時二塁打で先手を奪った。勝負の潮目での“速攻”で接戦から白星を拾い上げた。原監督も「3番、4番が不発でも勝てるんだから大したもんだよ。これはやっぱりサポーターたちが頑張ったということでしょうな」と“1Team”での勝利をたたえた。

坂本不在はしばらくの間は続く。この日、存在感を発揮した若林、吉川を筆頭に2軍から昇格した広岡らが代役を担う。若林は「勇人さんがいなくなってチームとしては痛いですけど、全員でカバーしようという話はしていた。僕とか(吉川)尚輝がこうして結果を出せたことは次につながるのかなと思っています」。胸を張らずにあごを引く。肩を寄せ合い、低姿勢のまま1歩ずつ、前へと押し込む。大黒柱不在の窮地はチーム一丸の「Gスクラム」で乗り切る。【為田聡史】

▽巨人ウィーラー(1回無死二塁から先制の適時二塁打。17試合連続安打とし自身最長を更新)「つなぐ意識だったよ。いい流れで先制点が取れて良かった」

▽巨人スモーク(4回1死、右翼席上段へ8試合ぶりの2号ソロ)「打ったのはフォークかな。来た球に対してしっかりと自分のスイングができたね!」

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