厚みを増した攻撃陣は勝利を夢見させた。大山悠輔内野手(26)の復帰で重量打線が復活。4番を挟む両助っ人が、祝福するかのようにアベック弾を放った。

1点を追う3回1死一塁。まずは3番ジェフリー・マルテ内野手(29)が二木の131キロフォークを捉えた。中堅左へ9号2ラン。一時逆転となる1発で、ベンチ前では「ラパンパラポーズ」で沸かせた。

マルテ 最高の結果になってくれたし、甲子園でみんなでラパンパラをすることができて良かったね。

仕留める1球前。132キロフォークにバットが止まった。低めに外れ、ボール。直後、浮いてきた1球を逃さなかった。リーグ3位タイの25四球。自慢の選球眼で打てる球を呼び込み、一振りで決めた。「負けている展開だったから、何とか次の打者へつなぎたいと思っていたよ」。4番に大山が戻り、より強くなった“つなぎの意識”が、好結果に結びついた。

続く大山は一邪飛に倒れたが、5番ジェリー・サンズ外野手(33)が、マルテと同じような場所へ放り込んだ。佐藤輝明内野手(22)を抜きチーム単独トップの11号ソロ。「マルテが最高の仕事をしてくれたから、その良い流れに乗って打つことができたよ」。6番佐藤輝は引っ張って本塁打性の弾道。浜風に押し戻されて右飛となったが、大飛球で「1イニング3発」の夢を見せた。

矢野監督も両助っ人について「実戦から離れたというところでも、しっかり結果を出してくれるのは頼もしい」と評価した。4日ヤクルト戦(神宮)以来、今季4度目の「MS」アベック弾。過去3試合は全勝だったが、逆転負け。プチ不敗神話は止まったが、両助っ人の打棒は交流戦でも健在だ。【中野椋】

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