広島が27日、8日ぶりの実戦となる西武戦(マツダスタジアム)に臨む。26日までの西武戦2試合を含め計5試合延期から、19日巨人戦(東京ドーム)以来の公式戦。

開幕から17試合連続無失点投球を続ける広島栗林良吏投手(24)にとっては初の交流戦。コロナ禍にもパの強力打線にも負けず、記録更新に挑む。

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8日ぶりの試合へ、広島ナインは気持ちを高ぶらせた。オンライン取材に応えた栗林もその1人。再開初戦を翌日に控え、表情を引き締めた。

ファンや関係者への謝罪から始まったインタビューでは「1試合1試合、必ず勝って、笑顔を届けられるように。チーム全体で頑張っていきたい」と言い切った。守護神を務める強い責任感を胸に、貪欲に勝利を目指していく。

17日からの10日間は誰も経験したことのない時間だった。チームメートに新型コロナウイルス感染者が出て、その後も陽性者や濃厚接触者が相次いだ。そんな中でも、しっかりと1日1日に意図を持って過ごしてきた。「この個別練習でモチベーションを落とさず、(再開される)次の試合に100%疲労を回復しつつ、体のキレも戻していくところを重点的に練習しています」。延期となった5試合を含め、7日間を充電期間と捉えた。

プロ初登板から全力で駆けた。デビューからの連続無失点投球はすでに新人新記録を達成し、17試合に伸ばした。記録更新の戦いは、交流戦へと突入する。「無失点を続けられているのはファンの方々からの応援のおかげ。あとはマウンドに上がるまでの準備の仕方、トレーナーの方の協力のおかげでいい状態で臨めている」。久々の実戦へ、肉体とともに気持ちも充電完了だ。

初めての交流戦、初めて対戦するパ・リーグ相手にもゼロを並べるつもりだ。「1番から9番まで長打を打てる打者、足の速い打者がいるのも、パ・リーグの特長だと思う。力で行けるところは力で押して、相手の苦手なところをしっかりと攻められるようにやっていきたい」。新人守護神同様、今の広島は挑戦者。攻める姿勢を貫き、パ・リーグ球団に挑んでいく。【前原淳】

広島鈴木球団本部長(試合再開に)「明日から出る選手は(20日から毎日続けたPCR検査で)7日間連続で陰性だった。セ・パ関係なく、12球団の日程について迷惑をかけているし、ファンにも試合ができなかったことで大変な迷惑、心配をおかけしたという気持ちはある。西武さんには申し訳なかった」