「0/18」からの逆襲へ。広島は18日からDeNA3連戦(東京ドーム)に臨む。交流戦は史上初めて先発投手に勝ち星がつかずに、全日程を終える不名誉な記録をつくった。首位阪神に16・5ゲーム差、クライマックス・シリーズ進出圏内の3位ヤクルトに9・5ゲーム差。五輪開催による中断期間までに上位と差を縮めるためには、先発陣の“史上初不名誉記録”からの巻き返しが欠かせない。

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9連戦を終えたばかりの広島は、わずか1日の休養を挟み、再開するセ・リーグとの戦いに臨む。森下や玉村ら4投手はチームメートが英気を養う中、マツダスタジアムで黙々と調整を行った。コロナ禍の影響もあり、交流戦では先発陣が不安定だった。全18試合でクオリティースタート(QS)達成も5試合のみ。半分の9試合は責任投球回の5回を持たずに降板した。史上初めて先発に勝ち星がつかず、チーム防御率は12球団ワーストの5・00。3勝12敗3分けと大きく負け越す一因となった。「0/18」からの逆襲が、チームの反撃態勢の鍵を握る。

先発の早期降板で中継ぎに負担が回り、交流戦では1試合平均4・78人の投手を起用した。交流戦前から0・51悪化したチーム防御率3・84となった。永川投手コーチは「こちらとしては長い回を投げて欲しいと思っている。入りというのは監督が就任当初から言っていること。みんな工夫しながらやっているし、こちらも指導していかないといけない」と手綱を締める。

得点力不足が、投手陣の重圧になっている側面もある。毎日のように打順が大きく替わり、攻撃の形すら見えず、個々の役割も明確になっていない。2点差以上の逆転勝利はわずか2試合と、反発力にも欠く。先発が序盤3回までに失点した試合は31試合あり、9勝21敗1分け。一方で先発が3回無失点で滑り出した試合は28試合で10勝11敗7分けと5割近い勝率を残す。チーム状態が悪い今季、序盤の攻防が試合展開を大きく左右することが分かる。

佐々岡監督は交流戦を終えて「まずは投手陣が試合をつくる。そこから攻撃につなげる流れを。そこを原点としてやっていくしかない」と話していた。反撃態勢を整えるには、就任時に掲げた「投手を中心にした守り勝つ野球」の再構築が求められる。【前原淳】

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