手痛い1発こそ浴びたものの、ロッテ佐々木朗希投手(19)は真夏の甲子園で手ごたえを感じていた。

「球自体はけっこう良かったかなと思うんですけど、2回まで左打者とかに、右打者にもですけど、シュート回転して抜けてしまう球があったので」

そう言いながら「それを3回に、出た課題をその試合で修正できて良かったかなと思います」と続け、充実感をにじませた。

阪神佐藤輝に力強く攻め込んだ。3回の第2打席、内寄りに156キロ、155キロ、156キロと3球続け、見逃し、ファウル、空振りで3球三振を奪った。第1打席ではやや甘く入った初球の155キロを被弾した。「しっかり修正しようとして、ボール自体もいいところに投げられました」とし「次は試合の入りからそういうピッチングができたらなと思います」と反省も忘れなかった。

岩手・大船渡高時代にマークした163キロにはまだ及ばぬも、徐々に球速を上げてきた。1軍昇格後、安定して同じ球速帯を投げ続けている。「いいフォームで投げられているのが一番だと思います」と自己分析する。

そして、そのベースもじわじわ上がってきた。3イニング限定とはいえ、この日の直球24球の平均球速は154・5キロ。プロ入り後では自己最速となった。「しっかりやることをやっていれば、もっと上がってくると思う」としながら「そこは求めずに、足元を見ながらやれたらなと思います」と急がない。

この日の試しも「変化球の使い方とか、できていなかったところを」とし、井口監督もスライダーの使い方に「収穫もあったのかなと思います」と評価した。そのスライダーも、140キロ台の比率が高まってくるなど、さらなる進化を予感させる甲子園の夜になった。次回登板は中6日となる、8月3日の中日戦(バンテリンドーム)が予定されている。【金子真仁】