県内の野球関係者で知らない人はいない名物記者が、日刊スポーツ静岡版に寄稿します。雑誌「静岡高校野球」の編集人・栗山司氏(44)の不定期連載「ここに注目!!」が、本日からスタート。高校野球はもちろん、大学生、社会人、中学生も含めて、県内のアマ野球の魅力をお伝えします。第1回は、来月2日に日本リトルシニア日本選手権の初戦を控える浜松南を紹介します。

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浜松南は、日本リトルシニア日本選手権に県内から唯一出場(2年連続11度目)。山形市のきらやかスタジアムで、関西の強豪・神戸中央(兵庫)と1回戦を行う。

今年5~7月、日本選手権予選を兼ねた南関東支部大会では、初戦の2回戦から4試合連続で逆転勝利。粘り強さが持ち味のチームだ。鈴木彰宏監督は「3年生23人のまとまりがある。全国大会でも最後まで諦めず、全員野球で戦いたい」と意気込む。

チームを引っ張るのが、主将の山下陸人(りくと)内野手(3年)。プロ野球巨人の坂本勇人を参考にしているという打撃は、シャープなスイングが目を引く。遊撃の守備は、源田壮亮(西武)ばりの華麗なグラブさばきで投手を助ける。走攻守の全てのレベルが高い上に、キャプテンシーも抜群。将来性が光る逸材だ。

昨年は2年生唯一のレギュラーとして、日本選手権に出場。1回戦で尼崎西(兵庫)を退け、ベスト8進出に貢献した。しかし、新型コロナウイルスの影響により、埼玉県所沢市の準々決勝会場に向かうバスの中で、大会中止の一報を聞いた。「先輩たちは力があり、日本一を狙えていたので悔しかった」と振り返る。2年連続の大舞台に向けて、「今年こそ日本一を取る」と強調。気持ちを高め、初戦突破からの快進撃を誓う。

 

◆栗山司(くりやま・つかさ)1977年(昭52)1月13日、掛川市生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌「野球小僧」(白夜書房)の編集者を経てフリーに。2012年(平24)に地元・静岡に根差した野球雑誌「静岡高校野球」を自費出版で立ち上げ、年2回発行している。ブログ「静岡野球スカウティングレポート」(tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com)でも情報を発信中。