「お祭り男」の血が騒いだ。巨人丸佳浩外野手(32)が6月23日DeNA戦(富山)以来今季2度目となる1試合2本塁打。先制された直後の1回無死一、二塁、右翼席へ逆転の11号3ランを放つと、6回先頭の第3打席でも右翼席中段へ12号ソロと“わっしょい弾×2”を描いた。漁師町の千葉・勝浦市で生まれたお祭り大好き男が原監督の掲げる「わっしょいベースボール」を体現した。

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丸がロケット花火のような弾丸ライナーの“わっしょい弾”を描いた。1点先制された直後の1回裏、無死一、二塁のチャンス。中日ロドリゲスが2球続けてきた内角スライダーを捉え、右翼ポール際へ突き刺した。「まずは同点と思っていましたが、ホームランという最高の形で逆転できて良かったです! わっしょい、わっしょい」と球団を通してコメントした。

原監督が後半戦開幕前日の12日のミーティングで選手に呼びかけた「わっしょいベースボール」を体現した。指揮官が求めるチーム一丸でみこしを運ぶような戦いざまを示すように、6回先頭でも右翼席中段に運ぶ12号ソロ。4打数2安打4打点2本塁打と“暴れみこし”と化した。

「わっしょい」「みこし」のフレーズにはお祭り男の血が騒ぐ。海岸沿いの千葉・勝浦市出身。地元では毎年9月下旬に「勝浦大漁まつり」が開催。ねじり鉢巻き姿の男たちがみこしを担いで勝浦の街を練り歩く。祭りやみこしの参加経験にはやや照れながら「あります」と返答した。

若大将の“わっしょい号令”に呼応した。試合前の円陣で、声出しを担当した岡本和から「今日は初回からみんなでわっしょいして、攻撃、守備やっていきましょう!わっしょーい!」と“速攻わっしょい”を呼びかけられた。「後ろには岡本様がひかえてらっしゃいますので楽な気持ちで打席に入った」と、尊敬? する7歳後輩の言葉通り初回に逆転弾。後半戦の連勝スタートをもたらした。「非常に勢いに乗って来ていますし、チームが目標に向かって足並みそろっている感じがある」。丸が後半戦もリーグ3連覇を目指す“巨人みこし”の花棒を担ぐ。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(丸の2発に) 見事でした。相手投手としては立ち上がり難しいところをね、彼が打ってくれたというのは大きいですね。今日は丸が非常にいい役割をしたと思いますね。

▽巨人岡本和(8回にリーグトップの28号ソロ) 打ててよかったですし、何よりもチームが勝てたことがうれしいです。明日も勝てるようにしっかり準備したいと思います。