首位キープは簡単なものではなかった。ロッテがサヨナラ負けで、再び2位に戻った。

2点リードの8回、これまで防御率1・05の佐々木千が代打大下に被弾し、さらに遊撃エチェバリアの失策で同点に。9回は大下にサヨナラ打を浴び、マウンドの田中は腰に手を当て立ち尽くした。

9回のマウンドは、30セーブを挙げ「引分」を14度記録している守護神益田ではなかった。井口監督は「益田は連投してて、同点では行けないということなので。その辺は投手コーチの判断なので」とブルペンを尊重した。益田は先週の金、土、日と3連投。この日も投球練習は行ったが、指名はなかった。

とはいえ、田中もクセ球を武器に、ここまで防御率1・21と修羅場をくぐっている。荻野の3安打などで宮城を序盤に攻略。緊迫の首位攻防戦で粘りながらロッテの勝ちパターンで進めていただけに、盤石だった8、9回で負けるのは痛かった。「また明日、しっかりやっていきたいと思います」と井口監督。勝てば再び返り咲く。優勝することが、「混パ」を抜け出すことがいかに難しいかを突きつけられる今季40敗目だった。【金子真仁】