「ハンカチ王子」の名付け親は日刊スポーツだった!? 06年夏の甲子園。端正な顔立ちと抜群の投球内容で一戦ごとに女性ファンが増えていった。アルプス席を取材していた新人記者から「追っかけの女子高生が『ポケットからハンカチを出して汗をふくのがかわいい』と言っています」と報告があった。球速やコントロールばかり見ていたが、言われてみれば丁寧に折り畳んだハンカチで汗を拭う姿は、炎天下でも爽やかな空気を漂わせていた。その時、日刊スポーツ紙上初めて「ハンカチ」という見出しがつき、その後「新語・流行語大賞」にも選ばれた「ハンカチ王子」へとつながった。

もちろんルックスだけではない。田中将大と投げ合った甲子園の決勝戦、延長15回引き分け再試合の熱投は、今でも語り継がれる名勝負だ。

高校卒業間近の斎藤佑樹に「将来の夢は?」と聞くと、「キャスターとか憧れますね」と意外な答えが返ってきたことを覚えている。高校時代から表現力があり、プロ入り後も率直な心情を吐露していたように思う。引退後も唯一無二の存在として、野球の魅力を発信してほしいと思う。【02~06年アマ野球担当=鳥谷越直子】