左腕王国形成じゃ!広島からドラフト2位で指名された三菱重工West・森翔平投手(23=関大)が、兵庫・明石市内の同社施設で指名あいさつを受けた。最速150キロの即戦力左腕は、開幕ローテーション&2桁勝利を目標に掲げた。今季奮闘した床田、高橋昂、玉村らに割って入り、1年目からフル回転での活躍を目指す。

     ◇     ◇    ◇

カープにまた1人、頼もしい即戦力左腕が加わる。紺色のスーツとネクタイをビシッと着こなした森は、用意された色紙に迷うこと無く「2桁勝利」と目標を書き込んだ。「1年目からフル回転して、2桁勝利を挙げたい」と目をギラつかせた。

最速150キロの力強い直球を軸に、スライダー、カーブ、チェンジアップなど、多彩な変化球を操る。鞘師スカウトは「先発が適性かな」と説明。森は地元が鳥取県ということで「スカウトの中で、鳥取は左腕が育つといううわさが…」とニヤリ。「タイプ的には(オリックス)能見さん。カープなら川口(和久)さんみたいになってもらいたい」と鳥取にゆかりのある左腕2人の名を挙げ、期待を寄せた。

中でも森が「自信がある」というのが、関大時代に習得したカットボールだ。球速は140キロ台前半で、斜めに切れ込み右打者の内角を鋭くえぐる。鞘師スカウトは「強烈」と表現。対戦経験のある天理大出身の石原も「見たことないカットボールでした」と驚いていたという。社会人でさらに磨きがかかり、大きな武器となった。

今季広島は若手の先発左腕が台頭した。後半戦で躍動した床田を筆頭に、5勝の高橋昂、高卒2年目で4勝を挙げた玉村が奮闘。森は「近い年代の選手が多い。負けないように、割って入って、(開幕の)先発ローテーションを奪いにいきたい」と気合を口にした。

ドラフト1位では同じく即戦力左腕として期待される関学大・黒原拓未投手(21)が指名された。関西大学野球の5リーグ対抗戦ではチームメートだったといい「心強いですけど、同じ左としてライバル視してます」と闘志を燃やした。

11月末には社会人として最後の大会となる都市対抗を控える。「そこにベストをもっていけるように調整しながら、チームとしては優勝を目指したい」と引き締めた。若手中心の左腕王国を作り上げ、4年ぶりのV奪回への使者となる。【古財稜明】

◆森翔平(もり・しょうへい)1998年(平10)1月1日生まれ、鳥取県出身。青谷小では1年生から青谷スポーツ少年団で野球を始め、小6時に全国大会で準優勝。青谷中では鳥取クラウンボーイズに所属。鳥取商から関大に進学し、4年時には明治神宮大会で準優勝へ導いた。20年から三菱重工神戸・高砂(現三菱重工West)でプレー。177センチ、80キロ。左投げ左打ち。

【関連記事】広島ニュース一覧はこちら―>