巨人がリーグ覇者にたたきのめされた。初回こそ2死満塁の好機をつくったが4回以降は無安打と無抵抗で2戦連続の完封負け。

中4日で送り込んだエース菅野は6回途中5失点に散った。CSでは球団ワーストの2安打、3失策となすすべなく2連敗で王手をかけられた。原監督は「なかなかこっちのペースにならなかったというところだと思いますね」と絞り出した。

もがき、あがいても、底から抜け出せない。0-1の6回2死二、三塁、原監督がマウンドへ向かった。代打川端を覚悟のうえで西浦の申告敬遠を指示。「流れがわが軍になかなか来ないというところで、こっちが動いて、相手を動かして好転させたいというのがありました」。菅野なら相手の切り札を抑えると信じ、2安打に抑えられていた高橋交代にかじを切らせた。だが、結果は押し出し四球。続く塩見に左中間へ運ばれると、菅野は動けずに立ち尽くした。今季の11ゲーム差という力の差を、これでもかと突きつけられた。

試合の命運を分けた6回は左翼ウィーラーが滑り込んで捕球を試みたが後ろにそらし(結果は二塁打)、続く坂本が一塁に悪送球。リーグ最少の45失策の守備陣が誇る丁寧さが影をひそめ、自ら相手に勢いを与えてしまった。0勝3敗からの逆転突破の確率は0%。原監督は「明日からまた頑張ります」と結んだ。“明日”に勝利しなければ、奇跡へとつながるその次の明日は来ない。【浜本卓也】