鉄人ロードへ。広島ドラフト1位の関学大・黒原拓未投手(22)が10日、広島市内のホテルで行われた新入団選手発表に出席し、背番号24のユニホームに初めて袖を通した。80年代の黄金期を支えた球団レジェンド大野豊氏が背負った番号。先発だけでなく、中継ぎにも適性のあるドラ1左腕が、広島投手陣の救世主となる。

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ドラフト1位の黒原が、背番号24の姿を初披露した。広島では先発100勝100セーブの大野氏らが背負った、左のエース番号ともいえる。球団の期待の大きさが感じられる。

「肩を並べられる段階ではないと思うので、これからとにかくひたむきに練習に向き合って、いずれは追いついて追い越せるような選手になっていけたら」

最速152キロの速球とキレのあるカットボールやチェンジアップなどの変化球を操る。先発、中継ぎともに適性があり、起用法は来春1軍キャンプで見極められる。「どちらでもいけますし、希望はない。試合に出してもらえるなら全力で頑張る」。現役時代に沢村賞受賞に加え、最優秀救援投手(セーブ王)も受賞した先代と重なる。

身長は173センチと高くないが、大野氏も177センチで43歳まで投げた。「強い球を投げられていますし、何と言っても体が強いので、長い年月にわたって活躍されている。自分もケガしない体に」。現役時代の映像を見て驚かされたのは、球の切れや威力よりも、年齢を重ねても変わらない躍動感だった。まずは強い肉体をつくり、鉄人ロードを歩んでいく。【前原淳】