類いまれな身体能力を投打に生かす。巨人ドラフト1位の大勢投手(翁田大勢、22=関西国際大)が15日、2日目を迎えた新人合同自主トレに参加。時折笑顔を見せながらも「ピリピリしたというか、いい緊張感はあります」と充実の表情を浮かべた。

【関連記事】巨人ニュース一覧

3キロのメディシンボールを正面に持ち、頭の上を通して背後に投げるトレーニングでは、新人17選手中2番目の数字を記録。ビエイラの持つ球団最高記録22メートルに迫る19・5メートルだった。新人としてはかなり高いレベルだという。同トレーニングは、投手として球速につながると同時に、打者としては打球速度にもつながる。西脇工時代には1年生から4番を任された最速157キロ右腕は「DHがないので、自分が打てたら自分も楽になる。自分も2割ちょっとで」と、NPB通算打率2割1分6厘の桑田投手チーフコーチの系譜を目指していく。

東京ドームでの未来を思い描いた。この日は、本拠地とマウンドが同じ硬さの室内練習場のブルペンでシャドーピッチングを行った。「こんな感じなんだなというイメージをしながら入りました。硬い方が投げやすいという感覚はあります」。高い身体能力を引っさげ、東京ドームで投打に躍動する。【小早川宗一郎】

◆桑田の打撃 通算打率は890打数192安打で2割1分6厘。2リーグ制後(50年以降)に入団して100勝した投手で、通算500打数以上で打率2割を超えたのは桑田を含め4人だけ。桑田の2割1分6厘は鈴木啓(近鉄)の2割9厘を抑えて最も高く、近年の投手の中では突出している。ちなみに、1リーグ時代からいた選手には別所(巨人)2割5分4厘、藤本(巨人)2割4分5厘、杉下(大毎)2割1分9厘など打撃を得意とする投手が多かった。