予告通り、命懸けのパフォーマンスも、BIGBOSSの初勝利にはつながらなかった。日本ハムは本拠地・札幌ドームの“ラスト開幕戦”(対西武)をエース上沢直之投手(28)に託したが、8回6安打4失点で、北海道移転後、ワーストの開幕4連敗。試合前には超高額のド派手セレモニーでスタンドを盛り上げた新庄剛志監督(50)だったが、連敗は止まらなかった。

【ニッカン式スコア】29日の日本ハム-西武戦詳細スコア

スタンドの熱気と興奮も、白星にはつながらなかった。4点を追う9回1死一、二塁の好機も、後続が2者連続三振。「これだけ球場に足を運んでもらったのに、楽しい試合を見せられなくて」。初の零敗にBIGBOSSは、いつの間にかサングラスで表情を隠した。「遊びます」と宣言した開幕3連戦で3連敗。「さらに気合を入れて」と臨んだ本拠地開幕戦で結果を残せなかった。

完投も視野に入れエース上沢にマウンドを託したが、西武山川の2発に沈み、思いは届かず。7回の攻撃では1死二、三塁で二塁走者の清水が飛び出すなど走塁ミスもあり「ミスが増えていくと勝ちにはつながらない。(次の塁へ)行きたい気持ちは分かるけど、学んでいこうよというところ」。もどかしい気持ちを、ぐっとのみ込んだ。

試合前には前代未聞の「空飛ぶ監督」を演じて、今季限りで本拠地の役目を終える札幌ドームの“ラスト開幕戦”を、最高潮に盛り上げた。1台7770万円の「ホバーバイク」にまたがって「(地上から)8~9メートルくらいあった」という高さを空中飛行。「ずーっと目をつぶってた」と苦笑い。命綱なし、転落の危険を伴う命懸けのパフォーマンスで、スタンドの度肝を抜いた。

この日は、約3000万円のスーパーカー「マクラーレン600LT」に乗って球場入り。気温10度の札幌で、オープンカーの運転に震えながらも「アクセルを踏んだら空を飛ぶんじゃないかな」とエンジン音に感激していたが、その5時間後、まさか本当に空を飛んでいるとは…。

試合前セレモニーで「必ず札幌から、全国の皆さんを笑顔に出来るチームをつくっていきます」と、2万人超のファンと約束した新庄監督は、北海道移転後、初の開幕4連敗に「選手たちが懸命にやっての結果。これを乗り越えて、どんどん成長してもらいたい。まだ始まったばっかしやん!」。下を向くことなく、元気に敗戦を締めた。【中島宙恵】