阪神は今季初めて「勝利の方程式」をつなぎ1点差を守り抜いた。7回からアルカンタラ、湯浅、岩崎が1回ずつを零封。矢野燿大監督(53)は「ずっと、しびれるような状況だったんでね。何とか頑張ってくれ、頑張ってくれと思いながら見てました」と胸をなで下ろした。

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7回のアルカンタラは3人を難なく料理。8回はチーム最多9試合目、フル回転の湯浅にバトンが渡った。巨人は1番吉川から始まる好打順。安打と暴投で無死二塁のピンチを招き、坂本を迎えた。「絶対に打たせない。本当に三振が欲しい場面だった」。狙い通りに149キロの内角直球で空振り三振を奪い、ポランコも148キロの外角直球で見逃し三振。最後は岡本和を中飛に仕留め、大歓声を浴びた。

湯浅は、12日の中日戦で石川昂に勝ち越し打を浴びて敗戦投手になった以外は全て無失点。昨季の守護神スアレスをもじって「ユアレス」とも呼ばれる右腕は「どういう場面、どんな状況で投げても気持ちは変わらずにしっかり抑えること。勝っているから、負けているから、にとらわれずに自分の仕事をするだけ」と頼もしく言った。4ホールド目でプロ初のお立ち台に呼ばれ、すっかりセットアッパーの顔になってきた。

9回は岩崎が2戦連続セーブ。「勝つことができて良かったです」の決まり文句で締めた。開幕から新守護神として期待されたケラーが2試合で2敗して2軍落ちするなど、救援陣が安定した勝ちパターンを組めずにいた。継投でつかんだ今季初の1点差勝利。矢野監督は素直に喜んだ。「そりゃデカいよ。こっちも迷いは出てしまうんでね。そういうところで湯浅が8回いって、スグル(岩崎)がしっかり後ろにいるっていう形で勝てたし」。懸案が解消されれば、反攻は強めていける。【三宅ひとみ】