阪神は矢野燿大監督(53)が3日連続で試合前の声出しを行ったが、巨人戦3連勝のビッグウエーブは作れなかった。

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今季最多4万1175人が埋めた甲子園。2点を追う9回に最大の盛り上がりを見せた。2死一、二塁で1番中野。次打者席で準備する2番佐藤輝まで回せば…。だが中野が空振り三振に倒れ試合終了。借金は再び13となった。

立ちはだかったのは新たな天敵赤星だった。日大からドラフト3位入団した新人ながら、最速152キロの真っすぐと多彩な変化球を操り、制球力も抜群。得点圏に走者を進めても要所を締められ、7回途中まで糸井のソロ1点に抑えられた。3日の前回対戦でも7回を糸井の2ランだけに抑えられて2戦2敗だ。矢野監督も「苦手意識というか、もちろんいい球を投げているし、球種も多い」と脱帽するしかなかった。

もちろんすべては、依然低調な打線に起因する。今季通算得点は12球団最低の47得点。1試合平均2・35点で、同じく20試合を消化した巨人は80得点と33得点の差がある。前日16日の4回に大山が適時二塁打を放ち、本塁打を除く適時打がチーム64イニングぶりに出たが、その後また13イニング出ていない。矢野監督は「投手はある程度、形になってきた。だいぶ落ち着き出した。あとは打線。つながりはよくないよ」と9残塁にもどかしさが募る。

赤星対策も急務だ。2週間後の29日から敵地で巨人と3連戦。赤星がローテ通りに日曜日に回れば、5月1日に再戦する。指揮官も「早い回にうちの流れを作って、球数を投げさせることが地味だけど必要」と引き締めた。この日3連勝を阻まれたように、苦手を作っていては反攻も望めない。19日からは昨季、セ本拠地別でマツダスタジアムに次ぐ打率2割6分4厘と打った横浜でDeNA3連戦。まずは得意のハマスタで打線の状態を上げ、態勢を立て直したい。【石橋隆雄】

◆4月3日の阪神VS巨人赤星(東京ドーム)先発ガンケルが初回に中田に満塁本塁打を浴びる劣勢スタートで、阪神打線は5回まで初回先頭の近本の左前打1安打のみ。6回に糸井の2ランが出たが、後が続かない。プロ2戦目登板の新人に7回4安打2失点に抑えられて初勝利を献上し、22年初の巨人戦3連戦は、3連敗スタートとなった。赤星には3月13日のオープン戦(甲子園)でも5回を4安打無失点に封じられており、計3試合18回2/3で糸井の2発による3点しか奪えていない。

▼阪神は20試合を戦い3勝16敗1分け、勝率1割5分8厘。この時点での勝利数と勝率は、2リーグ分立後では82年の5勝(13敗2分け)、2割7分8厘を下回りともに球団最低。なお2リーグ分立後、シーズン20試合時の3勝は、50年国鉄の2勝(17敗1分け)に次ぎワースト2位タイ(3勝は過去7度)。勝率1割5分8厘は、71年東映と並びプロ野球ワースト4位。

▼阪神は巨人3連戦で○○●。17日も勝って巨人戦同一カード3連勝なら、甲子園では18年5月25~27日以来4年ぶりだった。