阪神渡辺雄大投手(30)が、プロ5年目でうれしい初勝利を挙げた。
同点の6回裏から2番手で登板し、1イニングを無失点。直後の7回に、チームは一挙6点で勝ち越しに成功した。
渡辺は91年生まれの30歳。新潟・中越から青学大、独立リーグのBC新潟を経て、17年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。3年目の20年に支配下となったが、昨オフに戦力外となり、阪神と育成契約を結んだ。
キャンプ、オープン戦でアピールを重ね、開幕前の3月22日に支配下契約を勝ち取った。今季10試合に登板し全て無失点。貴重なサイドハンドとして存在感が増している。
30歳の苦労人はヒーローインタビューで「遠回りをして初勝利ということで、とてもうれしく思いますし、誇りに思います」と喜びに浸った。
渡辺のヒーローインタビューでの一問一答は以下の通り。
◇ ◇ ◇
-30歳にして初勝利、おめでとうございます
渡辺 「ありがとうございます!」
-今の心境
渡辺 「かなり、遠回りをして初勝利ということで、とてもうれしく思いますし、誇りに思います」
-今日の投球は
渡辺 「ウィルク(先発のウィルカーソン)も苦しいながら一生懸命投げていたので、なんとかいい流れをチームに呼べるように、一生懸命投げました」
-次の回にビッグイニングが生まれた。流れを変えた
渡辺 「形的にそのような形になったので、よかったと思います」
-ウイニングボールはどうするか
(ボールを左ポケットから取り出し)
渡辺 「家族にたくさん、心配も迷惑もかけて、ここまで来ましたので、家族に送りたいなと思います」
-育成契約、戦力外も経験。今日を迎えるまで諦めずにきた
渡辺 「ほんとに、遠回りをしたので、たくさんの人に『無理だ』って言われた時もあったんですけど。それでも応援してくれる人もたくさんいましたので、そういう人の応援と声が、自分が諦めずに野球やる原動力になったと思います」
-ファンの気持ちは届いていた
渡辺 「はい、届いています」
-5連勝。今後へ
渡辺 「今日、僕が30歳で初勝利したように、阪神タイガースがここから巻き返して、優勝っていうのも決して無理じゃないと思うので、1戦1戦、一生懸命頑張っていきたいと思います」
◆渡辺雄大(わたなべ・ゆうた)1991年(平3)9月19日、新潟県生まれ。中越高では甲子園の出場経験なし。青学大の同期にオリックス杉本、ロッテ東條らがいる。その後、独立リーグのBC・新潟で4年間プレー。オフシーズンにはホームセンターでアルバイトし、オフの週5日、1日8時間以上働くこともあった。17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。3年目の20年に支配下となったが、21年オフに戦力外。阪神と育成契約を結び、3月22日に支配下契約を勝ち取った。背番号92。185センチ、84キロ。左投げ左打ち。