オリックス近藤大亮投手(30)が19年8月31日のロッテ戦以来、973日ぶりの白星を手にした。

大拍手で迎えられるとマウンドで感極まったように上を向き、目をこすった。「しびれました。めちゃめちゃ感動しました。一生、忘れられない日になりました」。復帰2戦目だが京セラドーム大阪の登板は19年8月以来だった。同点の8回に登板。思い切り腕を振った。自己最速を1キロ更新する154キロも計測した。2死後に2連打されたが、代打中村には直球勝負。中堅への大飛球に抑え、右手で強くガッツポーズした。

2年目の17年から3年連続50試合登板した元セットアッパーだが、20年2月に右肘痛を発症した。同9月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、昨季は育成契約。4月24日に支配下選手に復帰したばかりだった。

「苦しい2年間、この球場で投げることをずっと考えていた。支えてくれた皆さんに感謝したい」。ちょうど母鈴美さんの誕生日だった。抑えの平野佳から受け取った記念ボールは、もちろん母に手渡す。「人生で一番いいプレゼントができたと思う」と照れた。

同期入団の吉田正の2発で勝ち投手の権利を得た。チームは2連勝で開幕戦以来の貯金1。「(山崎)福也もすごくいい投球をしていた。たまたま僕に勝ちがついただけ。正尚に感謝です。負けてても勝ってても、任されたイニングで全力を出していきたい」。ファンに向けて「ただいま!」と笑顔で叫んだ右腕。ブルペンを支える日々が戻ってきた。【柏原誠】

◆近藤大亮(こんどう・たいすけ)1991年(平3)5月29日、大阪府生まれ。浪速-大商大-パナソニックを経て15年ドラフト2位でオリックス入り。2年目の17年から中継ぎとして1軍定着。17年オフのアジアチャンピオンシップで日本代表選出。20年9月に右ひじのトミー・ジョン手術を受け21年は育成契約。今年4月24日に支配下登録復帰。通算162試合、9勝10敗2セーブ56ホールド、防御率3・18。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。

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