阪神が主砲の一撃で、息詰まる投手戦のけりをつけた。ロッテ佐々木朗希が先発する一戦は6回で無得点だった。昨年の対戦ではプロ初勝利を献上。この日も攻略できなかったが、試合には勝った。矢野燿大監督(53)が佐々木朗について語った。

-ロッテ先発の佐々木朗は去年と比べて

「去年はフォークはいいなあと思ってて、真っすぐはまだそんなにこう速いけど、質的にはというのは去年のイメージ。今年見てたらその真っすぐの質がめちゃくちゃ良くなってたから、ああいう結果も残しているし、末恐ろしい。前半も真っすぐが前に飛んでないんでね、真っすぐ狙っても真っすぐ前飛ばないんでね。追い込まれたら、あのすごいフォークがあるんで。3回くらいから急に抜けだした感じが。真っすぐが操れていないというか、グッと大きく抜けている感じがあった。今年の中ではああいう感じの球は少なかったと思いながら。本人的にはちょっと途中から、アレッていう感じがあったのかな。それでも、やっぱり抑えられるっていうのは、もちろんポテンシャルっていうのは半端ない。松川もね、落ち着いて。(自分が)キャッチャー(出身)なんで、キャッチャーを見てしまうけど、すごいなと思いながら、あのバッテリーを見ていたけど」

-荒れる前からボール球のフォークもしっかり見逃していた

「まあまあ、それは横からやから分からんけどね。ゾーンに来たフォークっていうのは、なかなか見送られへんと思うんだけど、ゾーンがちょっと外れているから見送られたというのはあると思う。それは、そういうところが関係しているのかなと。ベースの上で落とされたら、ちょっとやっぱり厳しい」

-連打が難しい中、足を絡めて

「まあね、やれることはそういうところかなというところで。チャレンジしていきました」

-各打者が粘って6回までに90球を投げさせた

「もうね、カンカン打ってというのは、なかなか臨めないというのは、ミーティングでもやっている。そういうところでは1人1球でも多くというのは、チームとしてやってくれたし。そういう小さいジャブというか、そういうのが、もしかしたら効いたのかなという部分が、チームでやれたのかなというのはあります」

○…チーム勝ち頭の青柳が今季2度目の中7日で5勝目を狙う。28日のロッテ戦に先発予定。ここ2試合6回で降板している右腕は「もっと長いイニングを投げるために1日(間隔を)延ばしてもらったと思っている」と完投を目指す意気込みだ。ロッテ戦は過去2戦2敗で、16年、19年ともZOZOマリンだった。「長打のある外国人と足のある選手をそろえている。流れをつくらないように」。3年ぶりの対戦でエース格に成長した姿を見せる。

○…長坂が無失点リレーを演出した。最近6試合で4試合に先発マスクをかぶり、すべて先発投手が無失点。「ウィルクが本当によく投げてくれて、ザキさん(岩崎)も気持ちを込めていたので、2人に感謝したい。まだたかだか(今季先発は)4試合なので、全然いいリードとは思っていない。しっかりゲームを作るのが一番なので、できる仕事をと考えています」と頼もしかった。

○…糸原が佐々木朗から2安打を放った。2回2死、5回1死から左前打。ともに高めの直球をたたきつけるように逆方向に強打し、打撃技術の高さを見せつけた。直球一本狙いだった。「真っすぐをファウルにしないように1球で仕留めると意識していた。結果的に点は取れなかったけど(チーム全体で)比較的とらえられたのかなと思いますね」と好感触だった。

○…岩崎が1-0の9回を締めて、8セーブ目を挙げた。レアードを3球で空振り三振に仕留めるなどクリーンアップを危なげなく3者凡退。前日26日の楽天戦(甲子園)も似たような展開で0-0の9回に勝ち越しを許した。この日は抑えた後も厳しい表情を変えず「悔しい気持ちはずっと持っている。それは持ち続けて明日からもやっていきます」と強調した。

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