中日根尾昂外野手(22)が、本格的に投手に挑戦することが決まった。13日、立浪和義監督(52)がリーグ戦再開に合わせて、外野手から投手登録に変更することを明かした。今後は1軍に同行しながら二刀流で投手練習を進める異例のプランで、シーズン終盤での先発起用を見据える。今季終了後には、投手に専念する方向だ。

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根尾の投手転向が決定した。立浪監督との話し合いの末に、起用法に新たな方向性が出た。リーグ戦再開の17日巨人戦(バンテリンドーム)に合わせて、現在の外野手から投手に登録を変更する。指揮官は「(1軍では)2試合しか投げていないが、いきなり150キロが出る。あの状況でストライクが入る。投手の方が彼の能力が生きる。本人も納得してやってみたいと」と決断の理由を明かした。

根尾は大阪桐蔭時代、遊撃と投手の二刀流で甲子園の春夏連覇に貢献。中日入団後は内野手登録だったが、プロ4年目の今季開幕直前の3月8日に外野手に変更していた。その一方で、5月8日の2軍阪神戦(甲子園)で投手デビュー。1軍でもここまで2度、敗戦処理としてマウンドに立った。ともに最速150キロをマークし、計2回を2安打無失点に抑えていた。1年の間に2度の登録変更が異例なら、投手挑戦プランも異例のもの。立浪監督は「投げる日、投げない日はあるが、基本は投手が主。ベンチに5回くらいまで入っているので、代打で出ることもあるが、基本は投手でやる方針。いつまでもどっちつかずではいけない」とした。1軍に同行し、当面は中継ぎと代打などで二刀流を継続しながら、投手の練習を進めていく。

「将来的には、投手をやるなら先発を目指してほしい。球数も増やしていきながら、最後の方で1、2度でも投げられればいいと思っている」と今季終盤の先発デビューを見据える指揮官。シーズン終了後には、投手に専念する方向だ。ここまで伸び悩んできた根尾が、投手として再スタートを切る。

◆根尾の登板 大阪桐蔭時代、甲子園では17年春、18年春夏に計7試合登板。センバツ史上初めて2年連続胴上げ投手になるなど通算5勝0敗、防御率1.93をマークした。プロ入り後は今年5月8日、ウエスタン・リーグの阪神戦(甲子園)に5番手で初登板。1軍では大量リードされた場面で2試合に救援登板した。最速150キロ。

◆主な野手出身の投手 92年に内野手で入団した萩原(オリックス)は、00年途中から投手転向。02年に初勝利を含む3勝10セーブを挙げ、その後は日本ハム、ヤクルトでもプレーした。95年に外野手で入団した嘉勢(オリックス)は、二刀流として投手にも挑戦し、00年に初勝利。01年から登録を投手に変更し、同年は70試合に登板した。内野手で入団したペルドモ(広島)は、3年目の97年から投手転向して通算3勝。現役では張奕(オリックス)や育成の姫野(日本ハム)が、外野手で入団してから投手に転向した。

◆背番号7の投手 根尾は背番号7。最近ではバリオス投手(ソフトバンク)が、育成選手から支配下選手に変更された13年7月に背番号142→7に変更された。通算47勝の鈴木皖武(きよたけ)はサンケイから阪神に移籍した直後の69、70年に7番。中日では前身の名古屋時代を含め37年春~38年秋の森井茂、42、43、47年の野口正明、49、50年の沖実郎が使った。

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