コロナ禍に見舞われたソフトバンクが、敵地・所沢で西武に連勝。がっちり首位をキープしてシーズンを折り返した。

2番周東佑京内野手(26)が、初回1死から与座の高めスライダーを右翼ポール際に運ぶ先制3号ソロ。「何とか塁に出たかった。塁に出ようと思ったらホームランでした」。デスパイネ、グラシアルの大砲を欠き、チームの窮地にあらためて「つなぐ野球」を強調していた藤本博史監督(58)も序盤の攻撃には目を細めた。3回は2死二塁から再び周東がスライダーをコンパクトにはじき返し一、二塁間を割った。昨年は開幕アーチで華々しくスタートを切ったが、その後の大振りがあだとなって打撃不振。「振りが大きくなると(打撃を)戻せない。しっかりコンパクトに振れました」。先制弾よりも追加点となった一打を誇らしげに振り返った。周東は抜け目ない走塁で二塁まで進むと3番牧原大が左前に運び3点目のホームを踏んだ。

コロナで離脱者が多く、2試合が中止となったが、再開後2連勝。打撃編成に腐心する藤本監督も、今後の攻撃には大きな手応えもつかんだ。「1、2、3番足の速い3人がね。この2試合はほんといい仕事をやってくれていますよね。ピストル打線だけど、いい効果的な点の取り方ができているんじゃないかな」。チーム本塁打は72試合で47本。単純計算すればシーズン100本塁打に届かないことになる。14年以来の2ケタ本塁打に終わる可能性もあるだけに、今後の攻撃戦略にも方向性が見いだせたかもしれない。苦しい中での首位ターン。「(西武2連戦は)どうなるかと思ったけど、つなぐ野球やったら面白い。これからも1点1点取る野球をやったらいい」。藤本監督は、息を弾ませながらベルーナドーム名物の長い階段を上がった。【佐竹英治】

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