日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が自己最多の1発を放ったが、空砲に終わった。

オリックス13回戦(札幌ドーム)で2点を追う7回の先頭、右越え8号ソロ本塁打。6月8日DeNA戦以来の1発で1点差に詰め寄った。弟・福太郎の19歳の誕生日に花を添えるプロ5年目でのキャリア最多弾も、チームは同一カード3連勝とはならなかった。

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高くそびえ立っていた「7」の壁を越えた。2点を追う7回の先頭。清宮が強烈な弾道を描いた。全球直球でカウント2-1とされた4球目。ど真ん中に飛び込んできた149キロ直球を捉えた。「打った瞬間でした」。右翼手は打球を追うのを止め、スタンドインを確信した。

プロ5年目で自己最多の8号ソロ。6月8日DeNA戦で最多に並んだときには「とっとと超えたいです」と切望していた。1年目の18年から20年まで3シーズン(21年は1軍出場なし)はいずれも7本だったが、ついに更新。ただ、「例年より(本塁打の)ペースが速いので、いつか出るかな~と思っていました。もっと打ちたいですね、やっぱり」と、満足はしない。

兄として頼もしい姿を見せた。この日は弟福太郎の19歳の誕生日。普段は所属する早大野球部の話をしてくれるという弟に試合前に祝福メッセージを送り、気合を入れ直した。試合後は開口一番「今日、弟の誕生日なんですよ。良かったです、打てて。もう大学生なので。早いっすね」と目を細めた。

もちろん、清宮にも大きな1発だ。「弟の誕生日っていうのもそうですけど、単純に今日はめっちゃ打ちたかった」。約1カ月ぶりの快音は、日々の試行錯誤の成果だ。昨オフからスイング改良に着手。感覚と動きを擦り合わせる作業に悪戦苦闘しながら、理想のスイングを追い求める。「打ちに行ったときに、しっかりグリップが(右足側に)残るように。一番はそこかなと思います」。

清宮の1発も反撃及ばず、接戦を落とした。アマチュア時代からソロアーチが多く、得点圏での勝負強さが課題と自覚している。「やっぱりクイックが違うところだと思う。今日はクイックが急に来ての本塁打だった。あんな感じで打てれば」と糧にした。チームは5日からロッテ、ソフトバンクとビジター6連戦。夏本番、爽快なアーチで勝利へ導きたい。【田中彩友美】

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