<中日0-3阪神>◇3日◇バンテリンドーム

阪神先発の才木浩人投手(23)が5回無失点で、19年5月1日広島戦(甲子園)以来1159日ぶりの白星を挙げた。トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えての1勝となった。

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才木にはもともと、両手首に腱(けん)がない。トミー・ジョン手術では左足の腱を右肘に移植した。「多分成長過程のあれで、赤ちゃんの時にハイハイの時期が少なかったから」と笑う。

母の久子さんは「手首の腱がない人は、ハイハイ関係なしにいるみたい」と息子の説を否定したが、「確かにハイハイは、ほとんどしてなかった。立てるようになって動きだすのが、びっくりするぐらい早かった」と回想する。「その頃はハイハイしないと足腰が強くならないって言われていたんです。でも、その心配がないくらい、小さいころから体が強かった」。

久子さんも大体大4年時に、ハンドボールで全国2位になったことがあるアスリート。けがのつらさを知っているからこそ、「浩人がどっか痛いって言っても、あ~もう大丈夫、生きてる生きてるって」と前向きに励ましてきた。たくましい体とメンタルも引き継いだ息子は、やっぱり強かった。【阪神担当=中野椋】

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