史上最年少サイクル安打まで、あと1歩だった。オリックス紅林弘太郎内野手(20)が3号ソロ、中安打、中三塁打で迎えた8回の第4打席は右飛に倒れた。

「めっちゃ意識しましたね。最後の打席、力みまくっていたんで、はい。ベンチで結構、言われちゃったんです。『ツーベース打てよ!』みたいな? ダメでしたね」

ソフトバンク椎野の4球目151キロをとらえた。右方向へのライナー性の打球が外野を抜ければ、史上最年少の20歳5カ月での偉業達成だった。「そんな簡単じゃない。甘くねぇなぁ…って。悔しくはなかったです」とケロリ。チームが3連勝で借金2。5位ながら首位ソフトバンクと4・5ゲーム差に迫り「まず勝率5割を、今は目指してやっている。早く(勝率5割を)クリアして乗っていけるように」と深くうなずいた。

試合後のベンチで、1軍野手最年少の紅林は自発的に「清掃活動」に励んでいる。空になったペットボトルをせっせとかき集める。「両手で持てないときは(ベンチとロッカーを)何度か往復しますね」とニヤリ。勝利後のベンチでは、紅林が歩けば歩くほど、先輩から愛あるイジりを受けまくる。「気がついたら動く。僕がプロに入ってから覚えたことですね」。この日の試合後も、背負うリュックには、空きペットボトルが突き刺さっていた。

中嶋監督は“サイクル未遂”の愛弟子に「そこが紅林でしょう…。そこが紅林でしょう!」と笑顔で連呼した。残り59試合。連覇&日本一は、まだまだ狙える。紅林は「もっと声出して、全員で最後まで。去年は諦めない野球って感じがした。負けてても、なんかあると思わせられるような、諦めない野球をしたい」。高卒3年目の20歳。オトナの香りが漂ってきた。【真柴健】

▽オリックス宗(初回の先制打含む2本の適時打に)「みんながいい形でつないで来ていましたし、自分もその流れに乗せてもらって、初球から積極的に打つことができたと思います」

▽オリックス・ワゲスパック(6回3安打1失点で今季2勝目)「しっかりとチームに勝つチャンスを与える投球ができた。リードを守ってリリーフ陣につなぐことができてよかった。試合前から(捕手の)頓宮と話し合っていたプラン通りに投げることができたし、バックがしっかりと守ってくれたおかげだよ」

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