村上ひとりにやられた…。阪神が今季3度目の6連勝を目前で逃した。31日のヤクルト戦(甲子園)は1点リードの9回に守護神・岩崎優投手(31)が同点弾を浴びるなど、ヤクルト村上に3本のアーチをたたきこまれて壮絶な逆転負け。痛い星を落とし、ヤクルトとは再び10ゲーム差に広がった。

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甲子園に悲鳴が響いた。マウンドの石井がうなだれる。村上がガッツポーズを決めながら、悠々とダイヤモンド1周する。まさかの3打席連発で逆転負け。時計の針が午後9時30分を回った直後、スコアボードに「2」が刻まれた。

“村神様”にのみ込まれた。延長11回。今季主にビハインド展開を担ってきた石井が、2-2同点の場面で起用された。青木に振り逃げを許し、2死一塁。村上には、2ボールから高め116キロカーブを左翼席に放り込まれた。2年目右腕は3月26日のヤクルト戦以来、16試合ぶりの失点。託した矢野監督は「もちろん、勝負にいった結果っていうのは受け止めています」と振り絞った。

鉄壁リリーフ陣がことごとく餌食になった。7回、2番手渡辺が左翼へソロを許した。今季、3打数無安打3三振と抑え込んでいた「村上キラー」が崩され、1点差。9回1死では、守護神岩崎が右翼へ今季初被弾となる同点ソロを浴びた。全4打点をたたき出した相手主砲に、指揮官は「それは見事やしね」と脱帽。「でも、これから対策を練らないと、まだまだ当たるんで。ずっと打たれるってわけにはいかない」。ヤクルト戦は残り9試合。同じことを繰り返すわけにはいかない。

5回は無死一、二塁のチャンスを作るも無得点。「ホームランをガンガン打ってっていうチームじゃない。しっかりつなぐとか、1個のアウトでも進めるっていうところをやっていかないと。結果的に苦しい試合展開にどうしてもなってしまう。そこらへんは反省かな」。指揮官が言うように、追加点を取れなかったことも響いた。

連勝は5でストップも、7月は14勝6敗でフィニッシュ。貯金1で8月戦線に臨む。甲子園に戻ってくるのは1カ月後、8月30日の広島戦だ。前半戦ラストゲームで借金を完済し、矢野監督は「ドラマを起こす舞台が整った」と言った。台本は変わらない。熱い8月へ物語は進む。【中野椋】

▼阪神が同一打者に1試合3本塁打を許したのは、16年9月10日ヤクルト戦での山田以来6年ぶり。3打席連続となると、12年5月8日広島戦のニック以来、10年ぶりの屈辱となった。

▼阪神のヤクルト戦での14被本塁打は、巨人戦と並び最多だ。選手別では、村上5本、サンタナ3本、山田2本のほか、青木、塩見、浜田、オスナも各1本塁打を記録している。

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