野田サンダーズが佐渡軍団に14-1で7回コールド勝ちした。前日の20日は5回表降雨ノーゲーム。前日も先発5回を投げていた小杉真斗投手(20)が、この日も先発し6回を3安打1失点の好投。4回まで無安打(1四球)に抑える力投だった。ただ、野田サンダーズはメンバーがそろわず、今日22日の最終日は棄権。準決勝、決勝が行われる予定だったが、すでに準決勝進出を決めていた五泉クラブも棄権となり、最終日は決勝だけになった。

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うなり声を発しながら、小杉は勢いのある直球を投げ込んだ。4回までに許した走者は四球の1人だけ。5回先頭打者に初安打されたが、動揺はない。荒木光一監督代行(62)がすかさずマウンドに行き、ひと声かけた。「初ヒットを打たれたから、ひと呼吸入れにきたぞ」。その時、初めて無安打だったことに気づいたという。

「体に張りがあったけれどその分、楽に投げられた」と小杉。雨天ノーゲームになった前日20日は5回を投げて無失点ながら被安打6。この日は6回で3安打1失点だった。ツーシーム、スライダー、カーブを織り交ぜながら、ここぞの局面で直球をうなり声とともに投げて7奪三振。「若いから連投がきく」と荒木監督代行は言う。最後の7回はベテラン谷合伸郷投手(39)を投入したが、20歳の右腕を信頼していた。

小杉が新潟産大付高3年の夏はコロナ禍で甲子園が中止になった。県内で独自大会が開かれただけ。「上のレベルでやりたい」と北関東の大学に入学したが、コロナ禍は続いた。寮待機の期間があるなど満足に野球ができずに1年で退学。それでも野球への情熱は衰えていなかった。「将来的にはBCリーグに入りたい」。

野田サンダーズは今日22日の最終日の棄権を決めた。前日の雨で大会最終日が平日にずれ込んだため、メンバーがそろわないのが理由だ。小杉も仕事の都合がつかなかった。チームにとっての22年シーズンは、この日の勝利で終了となった。「及第点」と自己採点した投球で、小杉の22年シーズンも終わった。【涌井幹雄】