オリックスが競り勝ち、ロッテ戦13勝8敗で3年ぶりのカード勝ち越しを決めた。自力優勝の可能性も復活した。

エース山本由伸(24)が3失点完投で、リーグトップを走る12勝目(5敗)を挙げた。圧巻は5回から6回にかけての5者連続三振。ロッテ打線をねじ伏せた。

4-0の7回に4安打を集中され3失点。それでも同点にはさせなかった。7回以外に出した走者は初回の1人だけと、ほぼ完璧な内容だった。エース右腕は今季のロッテ戦に5戦全勝だ。

新型コロナ陽性で6試合離脱し、復帰後2連勝の中嶋聡監督(53)は山本について「状態も良かった。難しい風の球場で、アジャストする能力が必要になる。そういう能力が高いということ。球種もいっぱいあるけど、その中で選べるというのは強み。どのボールでも勝負できる投手と思います」と賛辞を並べた。

4回、6回と適時二塁打2本を放ったベテラン安達了一内野手(34)には「こういうところで集中力を上げて打ってくれるのは頼もしい。まだまだ頼らなきゃいけない部分が必ずあるので」と期待を寄せた。

首位ソフトバンクとは1ゲーム差に食らいつき、2位西武にはゲーム差なしに迫った。昨年に続き大混戦のパ・リーグで連覇を狙える好位置につける。

「だいぶ前からその状態ですからね。その中でどうやって(勝ちを)増やしていくかというだけ。相手がどこだろうと関係ない。1つ1つ戦っていって、いいところまで行きたい。(ヤマ場は)先とは思ってないです。今も山だし、先も山だし、山だらけだよ。谷はない。谷に落ちたら終わってまう」と、厳しい戦い続く見通しを表現した。