ソフトバンクが日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手(29)に対し、交渉解禁日となる11日に即日交渉を行うことが10日、分かった。オリックス、西武、ロッテも獲得に乗り出しているが、鷹は速攻アタックで誠意を示す。出来高込みで推定4年総額20億円の好条件を用意する。DeNAから国内FA権を行使した嶺井博希捕手(31)とも近日中に交渉を行う見込みで、ダブル獲得を目指す。

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ソフトバンクが近藤獲得に向け、誠心誠意を見せる。10日にプロ野球のFA宣言選手が公示され、海外FA権を行使した近藤健介が名を連ねた。すでに球団は獲得に乗り出すことを明言しているが、交渉解禁日となる11日に即日アタックをかけることが判明。推定4年総額20億円の好条件とともに、速攻ラブコールをかける。

成功例がある。昨年も中日からFA権を行使した又吉に対し、球団フロントは交渉解禁日にアタックをかけた。DeNAなど複数球団との争奪戦を制し、セットアッパーを獲得した経緯がある。近藤にはオリックス、西武、ロッテも獲得に乗り出しているが、昨年と同様の形で大争奪戦を制するつもりだ。場所は非公開だが、即座に近藤に思いを伝える。

近藤がFA宣言した8日には、三笠杉彦取締役GMが「日本を代表する左のアベレージヒッターだと思います。うちに来たら若手のお手本にもなる。ぜひ話を聞いてもらいたい」と、すぐにラブコールを送った。一夜明けた9日には、藤本博史監督(59)が「もうぜひ、ぜひぜひ来てもらいたいです。あれだけのバッターですから、来てもらったら大助かりです」と興奮気味に話した。獲得を目指す他球団より先手を取り、近藤に熱烈なアピールを継続してきたソフトバンク。行動でも本気度を示す。

さらにDeNAからFA権を行使した嶺井にも、11日か翌12日にも交渉の場を設ける見込み。近藤と嶺井のダブル獲得へ、いよいよ本腰を入れる。助っ人補強では元阪神のガンケル、ロッテ・オスナの獲得調査も並行している。来季は3年ぶりのリーグ優勝が絶対条件。まずは北の大地のヒットメーカーを口説き落とす。

◆来季ソフトバンクの外野事情 近藤は今季DHとして19試合に先発しているが、三笠GMは「基本的には外野手で頑張ってもらいたい」と構想を明かした。いまだレギュラー白紙の状態だが、右翼は主砲柳田、中堅は牧原大や周東が最有力。DHとの併用も考えられるが、近藤は左翼での出場が基本線となりそうだ。来季4年目の柳町や2年目の正木らと争うことになる。

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