マサカリ投法で知られる、プロ野球元ロッテ投手として活躍した村田兆治さん(72)が11日午前5時57分に亡くなった。

ロッテ時代のチームメートだった水上善雄氏(65)が無念の思いを明かした。

水上氏がロッテでプレーした76年から89年まで同僚だった。現在も交流があり、直近では今年8月に新潟・佐渡市で行われた、村田さんのライフワークといえる「離島甲子園」で一緒に野球教室などを行った。水上氏は「今年、久しぶりに離島甲子園に一緒に行かせてもらって、元気にしているんだなと思っていました。最近も電話でお話をさせてもらった。まさかまさかですね。びっくりしています」と残念がった。

水上氏にとって、村田さんは人生のお手本だったと言う。「私がエラーをして、その後に同点にされて、村田さんの勝ちをなくしてしまったことがあった。現役が終わった後に、講演会などでよくその話をしてくださっていたそうです。『水上というのがいて、エラーしたんだけど、その後にすぐに来て謝った。200勝するときには、全部僕のところに打たせてくださいと言ってきた。ミスをしても、素直な気持ちで次に取り返すことが大事なんだ』と。私自身、ミスの連続のような人生でしたので。村田さんの生き方をずっと見習っていました」と振り返った。

「離島甲子園」など、まだまだやりたいことを残してこの世を去ったであろう村田さんを、水上氏は思いやった。「まだまだこれからですよ、という話をしたばっかり。やりたいこともたくさんあったと思う。1人の野球人、尊敬できる人間というより、私自身が生き方をまねしてきた方です。気が抜けるという言葉じゃ言い表せないですね」と、心から悔やんでいた。