出よ、3人目の大砲-。今季の阪神で、主軸の大山悠輔内野手、佐藤輝明内野手の2人は確かに持ち味を発揮した。ただ、長打力に関しては両主砲におんぶに抱っこ状態。せめて強打者がもう1人いれば…と思われる年だった。

まずは打点だ。チーム最多は大山87打点で、佐藤輝は84打点。2人合わせて171打点に達する。今季のセ球団別打点上位2人の合計でいえば、ヤクルトの村上134打点+オスナ74打点=208打点に次ぐ、2位の数字だ。

ところが、阪神の今季打点3位は、糸原の36打点。これは今季12球団最少だ。それどころか、2リーグ分立後の阪神の「シーズン打点数チーム3位」としては、71年遠井吾郎29打点に次ぐワースト2位である。なおチーム最多は10年鳥谷敬の104打点(1位ブラゼル117、2位新井貴浩112)だから、約3分の1の少なさだ。

打点ほどではないが、本塁打も同様だ。阪神の今季最多は大山23本で、佐藤輝20本が続く。だが3位はロハスで9本塁打に終わった。2桁本塁打が2人は、今季12球団で中日のビシエド1人(14本)に次ぐ少なさだった。

今年のドラフトでは、1位で森下翔太外野手(中大)を迎えた。さらに岡田新監督は、右打ちの外野手獲得を明言している。大山、佐藤輝に続く「3人目の強打者」。来季の命運を分けそうだ。

【記録室=高野勲】(スカイA「虎ヲタ」出演中。今年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

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