連覇&日本一を成し遂げたチームに吉報が届いた。この日、西武から国内FA権を行使した森友哉捕手(27)の獲得が発表された。

日本一に輝いたオリックスだが、補強ポイントは明確で「攻撃力強化」だった。助っ人野手陣の奮闘がなく、リーグ最少の89本塁打と長打力不足は明らか。490得点もリーグ4位。投手陣が力投しても僅差で敗れる試合が目立っていた。

さらには今オフ、2年連続で選手会長を務めた吉田正がポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を希望。圧倒的な数字を残す吉田正が抜ければ、かなりの痛手になる。扇の要だった伏見も国内FA権を行使しての日本ハム入りが決定的で、チームリーダーが不在になる恐れがある。そこで白羽の矢が立ったのが、森だった。

12年に大阪桐蔭で1学年上の藤浪とバッテリーを組み、史上7校目の春夏連覇を成し遂げた。3年時には主将も経験。強豪校をまとめる女房役としてキャリアを積んだ。まだ27歳と若く、19年には最優秀選手賞、首位打者を獲得。20、21年は西武で選手会長も務めており、そのリーダーシップを加味しても、絶対に迎えたい戦力だった。

かつて甲子園を沸かせた「なにわのヒーロー」の地元大阪帰還。営業面では、リーグ連覇を果たした人気を一気に全国区へ押し上げたい狙いもありそうだ。髪色が奇抜で世間的には“やんちゃ”と表現される森だが、オリックス加入は化学反応を呼ぶ。比較的おとなしいとされるオリックスナインに新たな風を吹かせ、「イケイケの相乗効果」が生まれると信じている。【オリックス担当=真柴健】