勝負のオフだ。阪神佐藤輝明内野手(23)が21日、フリー打撃などをこなし、秋季キャンプを終えた。侍ジャパンの強化試合を終え、12日から合流。休日を除いた8日間の練習ではグリップ位置が高すぎる打撃フォーム、そして体力不足など、岡田監督から随所に厳しい指摘を受けてきた。「まだまだ鍛え足りないところです」。課題が身に染みた秋になった。

指揮官は来季、佐藤輝の三塁固定起用の構想を前提とする一方、攻守ともに物足りなさを感じたキャンプ中、板山と渡辺を本職でない三塁に就かせた。「そういうことやろ」と、レギュラーを確固たるものにする体力、技術がなければ入れ替えもあることを示唆。来春の沖縄・宜野座キャンプは2月11日に初実戦となる紅白戦が予定されており、首脳陣が指導する期間は「そんなないよ」。キャンプ初日から進化を証明することを求める。

そのためにはオフの約2カ月間が当然、鍵になる。「非常に大事になってくる思うよね。やらなあかんことは分かってると思うよ、子どもじゃないんやから。2月にどんな姿を見せてくれるかやな」と岡田監督。「(ポイントは)2つ3つやんか。そんな一から十まで教えなあかん選手、プロに入ってきいへんわ」。自主性に任せ成長をすることを期待するのみ。水口打撃コーチも「振り込んでもらって、2月にいい姿で会えたら」と指令を出した。

「休んで1回、そこからトレーニングとか、必要だと思うことをやっていきたい」。佐藤輝も充電期間を挟み、さらにギアチェンジする覚悟だ。「しっかり鍛えて、沖縄キャンプもキツいと思うので頑張っていきたい」。鍛えたいところを問われ「全部!」と気合を入れた。まずは甲子園、鳴尾浜の球団施設で体を動かす予定。野球人生のターニングポイントになるオフが始まる。【中野椋】

<岡田監督の佐藤輝への愛のゲキ>

▼打撃改造予告 10月24日、侍ジャパンで離脱することに「帰ってきたら変えないといけない」。

▼来季4番は 同28日、テレビ番組に生出演し「まだ決めていないが、大山、佐藤輝のどちらか」。

▼やっぱり改造 11月11日、秋季キャンプで打撃改造について「そらやらなあかんわな。基本的に下半身が弱い。スタンスが狭いいうことは重心が高いということ。狭かったら軽すぎるやんか。くるくる回って力がない」。

▼ダメ出し 同12日、侍ジャパンの強化試合を終えて秋季キャンプに合流した佐藤輝に「これじゃあかんと思うよ、オレは。一緒に練習してびっくりした」。三塁と主軸を託す構想も「今日の動き見とったら分からへんわ、ほんまに」。

▼猫パンチ禁止 同15日、初の打撃指導。ティー打撃中の佐藤輝に「ボクシングのパンチや。猫パンチじゃない」と実演指導。

▼離脱に苦言 同19日の特守を背中の張りで途中離脱したことに「リタイアしたらあかんわな。ノックの数も受けられないということやんか」とピシャリ。

▼変わらないと 同20日、志願して特守を受けたことに「そらあ、変わらんとあかんからのお。キャンプも終わりやからなあ。オフの間にどれぐらいやってるかやろ」。

▽阪神馬場守備走塁コーチ(佐藤輝の課題は)「もう全部ですよ。体力面もそうだし、全部でレベルアップをしてもらわないと。まだまだ高いレベルになってほしいんでね」

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