日本ハムの松本剛外野手(29)が2日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6550万円増の来季年俸8600万円でサインした。今季、首位打者とベストナインに輝くなど頭角を現した。その原動力の1つに、同世代のチームメートの存在があった。

近藤健介外野手(29)とエースの上沢直之投手(28)の2人だ。近藤は今オフ、海外フリーエージェント(FA)権を行使、上沢は来オフのメジャー挑戦を公表している。松本剛は「いつかは追いつきたい2人。最善の方向を決めて、納得する決断をしてほしい」と進む道を模索する2人を陰から見守っている。

巨人に移籍した石川慎吾外野手(29)を含めた4人は、11年ドラフトで日本ハムに入団した同学年の同期生。プライベートでも仲が良かった。近藤は15年に初の打率3割超えを達成。アベレージヒッターとしてレギュラーに定着し、これまでに3度のベストナインに輝き、上沢は18年に11勝を挙げるなど、エースとして投手陣をけん引してきた。早くにブレークを果たした2人について松本剛はこう語る。「一線で活躍する姿。純粋にすごいな、かっこいいなと思っていた。2人がいたから僕もここまで頑張れた」。

プロ入りから苦節11年。先を行く2人の背中をひたむきに追い掛けてきた。「一緒の舞台で野球をしたいという思いがずっとあった。そのおかげで1回も腐らずにできていた」と言い切った口調には熱が帯びていた。「残ってもらいたいのが正直です」としながらも、「仲がいいからこそ最善の決断をしてくれたらうれしい」。複雑な心境を明かしつつ、すがすがしさを漂わせながら語った。(金額は推定)

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