オリックス山本由伸投手(24)が27日、大阪・舞洲の球団施設で契約更改交渉を行い、2億8000万円アップの年俸6億5000万円で契約を更改した。18年金子千尋の6億円を抜く球団最高年俸になった。「本当にしっかりと評価していただいた。うれしい気持ちと、もっともっと頑張らないとという気持ちと。大量失点した試合もあるし、技術的にも人間力も上げていかないといけない」と謙虚に喜びをかみしめた。

15勝5敗、勝率7割5分、防御率1・68、205奪三振で史上初めて2年連続の投手4冠を達成。昨年に続く沢村賞&MVPでリーグ連覇、日本一に導いた。6月18日の西武戦(ベルーナドーム)では無安打無得点試合も達成。優勝を争う終盤戦の力投は圧巻だった。査定担当者は「プラスアルファがある。今までにないことを彼はやったので」と査定ポイントを超越した評価を認めた。

名実ともに球界のエースになったが、来季を最後にポスティングでのメジャー移籍が濃厚だ。かねて強い願望を伝えてきた。「球界トップの舞台。目標にしています。(吉田)正尚さんが許可されたように、全くダメというわけではないという話をしました。(球団は)選手のことをよく考えてくださっている。とは言っても(来年は)オリックスの一員なので、変わりなく、とにかく全力で3連覇、日本一を狙いたい」。来年8月で25歳になり、1年目からメジャー契約が可能になる。このタイミングを狙う30球団は来年の目玉と見定めており、GMクラスもすでに数人が来日してチェックをしてきた。

来年3月のWBC出場も確実だ。「本当に盛り上がるだろうし、自分も入れたら最高の経験になる。まだ自信はないので、練習しないとって感じですね」。世界にその名を知らしめる1年になる。【柏原誠】

▼オリックス山本が6億5000万円で契約更改。年俸6億円に到達したのは12人目。25歳シーズンでの到達は来季の村上(ヤクルト=23歳)に次ぐ年少2位、投手では22年千賀(ソフトバンク=29歳)を抜く最年少となった。

▼6億5000万円は21、22年田中将(楽天=9億円)21年菅野(巨人=8億円)に次ぎ、04、05年佐々木(横浜)と19、20年菅野(巨人)に並ぶ高額3位。

▼2億8000万円アップは15年金子(オリックス=4億円増の6億円)23年村上(ヤクルト=3億8000万円増の6億円)20年浅村(楽天=2億9000万円増の5億円)に次ぎ昇給額4位。