ベテランの“逆襲”が始まった。ソフトバンク和田毅投手(42)がヤクルト戦で今年初めて実戦登板し、2回1安打無失点と好投した。

春季キャンプ中盤に「左ふともも裏の張り」を訴えて一時スロー調整。開幕に黄信号がともっていたが、本拠地で万全な姿を見せた。藤本博史監督(59)も「100点満点。100点満点は言い過ぎや、90点ぐらいやっとこうか」と冗談交じりにたたえた。

特筆すべきは直球のノビだった。球速は140キロ中盤だが、ヤクルト打線が手を焼いた。4回、先頭の松本直には4球すべて直球で、最後はバットを折らせて左飛。5回、この日本塁打を放っていたオスナは143キロで力ない二飛に仕留めた。和田は「(直球は)指にかかっていましたし、低めにも左右にもコントロールできた。悪くはなかったと思います」と充実の表情。チーム最年長42歳の大ベテランが健在を示した。

開幕ローテーション入りは諦めていない--。そんな気概が伝わる23球だった。「もちろん勝ち取っていきたいと思いますし、そういうつもりで昨年からやってきています」。約1週間ほど調整が遅れたが、百戦錬磨の左腕に焦りはない。「他の投手より実戦の回数が少ない。内容もそうですが、結果も求めていかないと」。

現状、開幕ローテは31日に大役を務める大関と石川しか正式に決まっていない。「選んでもらえるように頑張るだけです」。当然のように意気込んだ。【只松憲】