ドラフト2位ルーキーの日本ハム金村尚真投手(22)が2日、楽天戦でプロ初登板初先発し、6回91球を投げ2安打6奪三振1失点と堂々たる成績を残した。

試合には1点差で敗れ、金村に勝敗は付かなかったが、先発ローテーションの一角を担えるだけの能力を示した。新球場エスコンフィールドに詰め掛けたファンを驚かせた。

     ◇   ◇   ◇

ルーキーの金村が初めて立つプロの舞台で堂々たる投球を披露した。試合には敗れたものの、テンポのいい投球で最少失点に抑え、先発の仕事をやってのけた。「三振狙いにいったところは取れていた。いい面もあったと思う」と自身の投球を評価した。加藤投手コーチは「本当に言うことない。頼もしい1枚になってくれるんじゃないかっていう期待しか持てない」と今後に期待を寄せた。

登板前日には緊張で眠れるかを心配していたが、「1回起きたらだめだと思って、ずっと目つむってました。そして気が付いたら朝でした」。十分な休息でギアを上げた金村の好投はツイッターでも話題になっていた。登板中に「金村くん」でトレンド入り。「金村くんはテンポがいいよね」「本当にルーキー?」といった投稿が見られた。

四球からの失点が課題となった。3、4回は2死から四球を出し、3回は直後に長打を浴びて失点につながった。「四球からの失点はダメージが大きい。野手もあってのスポーツだと思うので、その流れを引き寄せるピッチングができればなと思った」と反省を口にした。ルーキーながら攻撃の流れを生む投球を次のステップに見据える。

同期の矢沢に助けられる場面もあった。6回にフランコの右中間への打球を右翼の矢沢がジャンプしながら捕球。抜ければ長打という当たりだったが、好守でピンチを免れた。金村は「抜けたなと思ったんですけど、矢沢が捕ってくれた」と感謝を口にした。「矢沢に守備はあまり期待してないんですけど」と冗談を飛ばしたが、「いいプレーで自分も負けられないなっていう思いになった」と同期の好プレーは刺激になった。新時代を担う右腕は次こそ勝ち星をつかみにいくつもりだ。【石井翔太】

 

○…昨季首位打者尾の松本剛が開幕3戦連続安打と、2年連続のタイトル奪取へ好スタートを切った。初回2死から中前打で出塁するなど、3打数1安打で打率4割。「スタートの10打席が大事だと思っていたので、いいスタートは切れたかなと思う。ただチームとして3安打では勝てない。自分も含めて野手陣がしっかり責任感じて、打つ方で貢献できるように」と気を引き締めた。

○…開幕12打席目で今季初安打を放った石井は「ようやく開幕しました」。1点を追う5回に一時同点となる左前適時打を放ってガッツポーズ。塁上で「やっと出た」と心の声が漏れた。オープン戦は打率3割5分9厘も、開幕後は苦戦。「勘違いしていた。シーズンは、そんなに甘くない」。3回にはチーム今季初盗塁を記録。「こういう試合を勝ちきらないと」と先を見据えた。

○…オリックスからFA移籍した伏見が初スタメンでルーキー金村を好リードした。開幕戦で本塁打を含む3安打と好調なフランコに、6回はカーブを4球続けた後にストレートで右飛に打ち取るなど翻弄(ほんろう)し、4打数無安打に。ただ、7回に捕逸で勝ち越し点を奪われてしまい「バッテリーミス。勝ちを付けてあげられなくて申し訳ない」と反省した。

▽日本ハム矢沢(好守で金村を助け)「同期を助けられて良かったけど、打って点を取って援護できたら良かった」

【写真たっぷり詳細ライブ】楽天がエスコンフィールド初のカード勝ち越し 日本ハムドラ2金村尚真は6回1失点/ライブ詳細