<広島0-5阪神>◇5日◇マツダスタジアム

阪神新外国人のヨハン・ミエセス外野手(27)が虎デビュー戦で豪快弾&豪快キャッチを決め、チームを3連勝に導いた。「6番右翼」で1軍初昇格即スタメン出場した敵地広島戦。4回に激走で大飛球をもぎ取ると、6回は豪快な来日1号でダメ押しした。阪神助っ人のスタメンデビュー戦アーチは20年サンズ以来だ。チームは「5度目の正直」で今季最多の貯金5。懸案事項だった「6番右翼」に陽気なドミニカンがハマれば、2ゲーム差で追うDeNAの背中が近づく。

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ミエセスは「野球」を子どもたちからも学んでいた。4月下旬のある日。2軍練習を終えると、鳴尾浜球場から道路を挟んで向かい側にある「鳴尾浜臨海野球場」に直行した。「日本の野球をもっと知りたいから」。中学生同士のゲームを観戦。そこであることに気づいた。

「ドミニカでは、みんなベンチで声を出さない。自分のプレーがすべてだから。日本の野球は声をよく出す印象だったから、小さい頃から声を出すことを今初めて知ったよ」

日本でのプレーは今季が初めて。「プロ野球以外の野球を見ることができて良かった」と笑みを浮かべ、近くにいた少年たちの帽子にサインする神対応も見せていた。

「ミエちゃん」と呼ばれる愛されキャラ。今やチームのムードメーカー的存在だ。ベンチでは積極的にスペイン語で「頑張れ」を意味する「バモス!」と声をかけ、チームを鼓舞。ひた向きな姿だから仲間は心を揺さぶられる。【阪神担当 三宅ひとみ】