チャンスは、ことごとく“赤い壁”に阻まれた。日本ハムは8日、「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦(エスコンフィールド)に敗れ、今季2度目の同一カード3連敗を喫した。明暗を分けたのは守備力。打撃好調だった加藤豪将内野手(28)も4打数無安打に終わり、初出場から10試合連続安打でストップした。新庄剛志監督(51)は、9日から始まる阪神3連戦へ「楽しみ」と切り替えた。

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まるで“赤い壁”だった。広島の鉄壁守備に、泣いた3日間だった。日本ハム新庄監督は「なんかこの3連戦は相手の二遊間にやられた感がありますね。きっちり、守りの野球の大切さが分かった感じがします」と、悔しがった。

2回無死一、二塁から野村の打球は、三遊間を抜けるかという鋭いライナー。遊撃を守る矢野の美技に先制機を阻まれ、3回無死一塁から加藤豪の強いゴロは、二塁の名手、菊池と矢野の二遊間にからめ捕られた。2リーグ制後、最長の初出場から11試合連続安打を狙った加藤豪だったが、4打数無安打に終わり、記録更新はならず。加藤豪は「いつか、この日は来ると思っていた」と打席よりも、不規則に跳ねた打球を処理できなかった一塁守備を悔い「捕れそうなイレギュラーだった。それを引きずって(5回の)バント処理がもたついた。今日は僕で負けた」と、自分を責めた。

守備力は対照的だった。5回2死満塁から、右前打で走者3人全員の生還を許してしまった清水は「100%自分のミス。チームにも上沢さんにも申し訳ない」と、猛省した。2人目が生還した際、右翼からの返球をミットではじき、ボールの行方を捜しながらミットを外してしまった。その隙に3人目が本塁突入。山田バッテリーコーチも「プレー中にミットを外すのは、あり得ない。もっと集中しないと。指導する僕の責任」と、顔をしかめた。

チームは今季2度目の同一カード3連敗で、9日からはセ首位の阪神と対戦する。現役時代に育った古巣との3連戦に、新庄監督は「楽しみにしてたんで」とニヤリ。「(阪神は)強いね。岡田さんの頭の良さ、采配の勘というか、すごさ。動画でもよく見させてもらっているんですけど、さすが。その隙を突いて攻撃したら面白い」と“虎退治”へ思いをはせた。【中島宙恵】