試合を決めたのは、最強のルーキーだった。日本ハム加藤豪将内野手(28)の“安打カウンター”が、再び動き始めた。3回に3試合ぶりの安打で出塁すると、同点の8回無死一、二塁から、値千金の勝ち越し適時打を中前へ運んだ。「バントのシチュエーションだったけど、監督が『打て』と。相手に見せるかのように、堂々と(グリップを握るような動作で)合図を出していた」と苦笑い。「その前まで、ちょっと不安があったんですけど、全部なくなって、そこからは『打てないわけがない』と思った」。新庄監督のパフォーマンスに乗せられて生まれた決勝タイムリーだった。

8日広島戦で初出場からの連続安打は10試合で止まったが、気に留めていなかった。「自分のスイングが良ければ、ヒットが出なくても満足感は100%」。米球界で約10年のマイナー生活。やっとの思いでメジャーへ昇格しても、チーム状況によって再びマイナーへ逆戻り。どんな状況にも納得して前を向く強い精神力は、米国時代に培った。

さらに米国育ち故に、虎党のヤジも耳に届かない。「(関西弁は)分かるけど、聞き取れない。松井さんがNYでブーイングされた時にうれしかったと言っていたが、それと同じです」。大歓声を、全て自分への応援と捉えることだって出来る。お立ち台では「We did it!(やったぜ)」と、チームの思いを代弁した。

新庄監督は「本当にいいチームになってきたなあ」と、感慨深げ。セ首位の阪神に2連勝し、交流戦首位へ再浮上だ。【中島宙恵】

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