オリックス先発の山本由伸投手(24)が“救い投げ”を決めた。

中嶋聡監督(54)が体調不良で欠場したピンチで、セ界首位を8回2安打、毎回の11奪三振で0封し、トップタイの6勝目を挙げた。規定投球回にも到達し、防御率1・59、勝率7割5分でリーグ3冠に浮上。プロ7年目の甲子園初先発で、自身5連勝&交流戦3戦3勝の無双モードに入り、首位ロッテにゲーム差なしに迫った。

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山本が、定位置に戻ってきた。プロ初先発の甲子園で、阪神打線から毎回の2桁三振を奪い、8回2安打無失点。中嶋監督離脱の危機にエースが力投し、交流戦チーム200勝を挙げた。「相手も好投手だったので、立ち上がりから丁寧に投げられました。もう本当に、1点もあげられない気持ちだったので。気を引き締めて最後まで投げられたので、それがいい結果につながったと思います」。満員御礼の甲子園を熱投で沸かせ、ヒーローインタビューで締めた。

同じ98年生まれの阪神村上と、同じ5勝2敗で初めて投げ合った。相手の力量が高ければ高いほど、球場のボルテージが上がれば上がるほど、山本の投球はすごみを増す。

シーズン序盤には連敗があった。発熱で戦列離脱の時期もあった。それでも必ず本来の立ち位置に戻ってくるのは、基本に忠実な練習を続けているから。その1つが遠投。試合前、少しずつ距離を伸ばし、最後には左翼から右翼にいる相手まで投げて軌道を見極め、体のバランスを確認する。

この夜は「しっかり下半身使って投げられたんで、上半身まで力が伝わっていいボールは多かったかなと思います」と明かした。さらに「もっともっと良くなると思います」と力強くうなずいた。まだまだすごい山本を、見ることができる。

 

▼オリックス山本が今季交流戦で広島戦、巨人戦に次ぐ勝利を挙げ3戦3勝。21年以来2度目の交流戦3勝をマークした。交流戦がシーズン18試合制となった15年以降、3勝以上を複数回記録したのは16、18年石川(ロッテ)17、21年秋山(阪神)に次いで3人目。

▼山本は勝利、防御率、勝率でリーグトップに立ち、奪三振もロッテ佐々木朗に次ぐ2位。21、22年に史上初めて2度の投手4冠に輝いているが、今季はどうか。

【動画】オリックス山本由伸、関西ダービー初勝利 交流戦球団通算200勝達成

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