ロッテの益田直也投手(33)が「日本生命生命セ・パ交流戦」のDeNA戦で今季18セーブ目を挙げ、通算200セーブを達成した。プロ野球史上10人目で、球団としては228セーブの小林雅英以来2人目。672試合目での達成は史上最長となった。

11年ドラフト4位でプロ入りし、1年目の12年開幕戦で中継ぎとしてプロ初登板。同8月5日のオリックス戦でプロ初セーブを挙げるなど72試合に登板し、新人王を獲得した。13年には33セーブで、21年には38セーブで2度のセーブ王。昨年6月には史上3人目となる通算150セーブ150ホールドを達成するなど、すべてリリーフで活躍してきた。

益田は「思い出の1試合なんて絞りきれない。たくさんありすぎる。打たれた記憶のほうが多いかもしれない」と苦笑いする。抑えて当たり前、クローズアップされるのは打たれてリードを守れなかった時という非常に厳しい立ち位置だからこそだ。気分を切り替える方法を問われても「先発投手と違って毎日投げる準備をしなくちゃいけないから、切り替えられないです。シーズン最後までずっと引きずる」と冗談交じりにリリーバーの苦労を表現した。

試合前の練習では真夏でも長袖を着用して、汗をたっぷり流す姿も特徴的だ。もちろん体の動きを円滑にする目的もあるが、「何かつらいことをやったんだという自分への自信みたいな…。後ろ盾になるかなあと」。厳しいマウンドに臨む準備段階で自身に負荷をかけることも1つの理由だ。

シーズン中、気分を変えることが出来る1つの手段は食事だ。外食のほとんどは好物の焼き肉。後輩たちも連れて行く“益田会”は自身のリラックスだけでなく、若手選手にとっては激励会&決起集会に変わる。「最初はタン塩でしょ。あとの順番なんて決まってない。好きなものを好きなように。基本的には脂身の多い肉は食べないです」。食べるのは赤身肉が中心で、味付はタレではなく塩だ。「ホルモンは食べない。油がたれて炎が上がるじゃないですか。あれが嫌なんです」。マウンドでは火消し役だけに、食事中も火が上がるのは厳禁だ。毎日、朝と夜に計測している体重はルーキー当時から変わらない。「誤差は300グラムくらいですね」。マウンドで消費した体に的確な量と質を栄養補給し、徹底的に自己管理出来る能力も強みだ。

グラウンド内外でチームメートの兄貴分となる思いやりの男だ。次は名球会入りする250セーブという記録もあるが、一番大事にしているのは「チームが勝てばいい」。益田のセーブ数はチームに勝ちをもたらした証しだ。【鎌田直秀】

【動画】ロッテ益田直也通算200セーブ、672試合目で達成 投球でも焼き肉でも「炎上」厳禁