巨人が“育成継投”でリーグ戦再開初戦に勝利した。先発井上から横川、菊地、中川の4投手で守護神・大勢までつなぎ、首位阪神まで4・5ゲーム差とした。けがからの復活、育成入団からの成り上がりとプロセスは異なるが、束になってバトンをリレーした。

今季初登板の井上は気迫の続投だった。2回に西川の打球が左足に直撃するも痛みに耐えた。4回5安打2失点で踏ん張った。21年5月に左肘の手術で育成契約。今季も左肘の違和感で出遅れた。野菜が苦手で毎朝の青汁を新習慣にして栄養バランスを追求した。

2番手の横川は退寮し、自炊生活を始めた。脂質を控え、レシピはTikTokで研究中だ。5回1死満塁のピンチは秋山を投ゴロ併殺に仕留めた。2度の育成契約を経験した左腕は2回2/3を無失点で4勝目を手にし「投手陣でつないで勝てた」と胸を張った。

3番手の菊地は21年育成6位で入団し、1年目の昨年4月に支配下昇格。7回2死一塁から菊池を空振り三振に斬った。新潟・佐渡島出身初のプロ野球選手で、高校時代は早朝5時前に港に集合し、船で練習試合に出向いて腕を磨いた。

鬼門の8回は中川が封じた。腰痛で昨季は登板なし。再発防止のために起床後、ストレッチに30分をかける。9試合連続無失点中で「持ち味を出してブルペン一体で勝てた」とリーダーとして引っ張った。

背番号3ケタから、はい上がった猛者が敵地・広島で力の限り腕を振った。【上田悠太】

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