ロッテ安田尚憲外野手(24)がプロ初サヨナラ打で試合を決め、チームの連敗を3で止めた。
9回1死二、三塁。日本ハム左腕の宮西が投じた1ボールからの2球目だった。ファーストストライクのスライダーを思いきり良くスイングし、左邪犠飛を放った。ベンチから飛び出してきた仲間にウオーターシャワーなどの手荒い祝福を受けて笑顔に。「とにかく自分で決めようという気持ちで打席に入りました。うれしかったですし、なんとかバットに当てられて良かった」。黒く日焼けした顔に白い歯が光った。
「正直、頭が真っ白だったんですけれど…」と苦笑いを浮かべたが、「なんとか食らい付いてやろう」という集中力は高まっていた。「三塁走者も和田(康士朗)さんだったので、内野ゴロでもいいくらいの状況。なんとか前に飛ばそうと思った」。冷静さは失っていなかった。
サヨナラ打は放ったが、6月14日の中日戦以降、24打席連続で安打がない状態が続いている。前日にはチャンスの場面で代打を出される屈辱も味わった。この日は、今季初めて「8番」まで打順も下がった中での一戦だった。試合前の打撃練習中には、吉井理人監督(58)から「ぜんぜんヒット打たないから、おまえ頭1回しばいとけ」と愛情あふれるがゆえの言葉で背中も押された。安田も「どんな時でも声をかけてくれますし、声をかけてくれることで、思いきりいけるところもある。もっともっとチームに貢献出来るように頑張りたい」と応えた結果だ。「(不調は)メカニックな部分…。もっと言えばメンタル的な部分だと思う。このサヨナラで良いきっかけになれればいいなと思います」。悩める若きスラッガーの心が少しだけ晴れた一打だった。【鎌田直秀】



